Budget Amount *help |
¥5,900,000 (Direct Cost: ¥5,900,000)
Fiscal Year 2005: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2004: ¥2,900,000 (Direct Cost: ¥2,900,000)
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Research Abstract |
昨年度は,DNA内包カーボンナノチューブ(CNTs)創製を目的として,電解質マイクロプラズマ利用によりDNA内包の有効性を示すと共に,溶液中アーク放電マイクロプラズマを利用したナノカーボン創製に成功している.本年度は,電解質マイクロプラズマを用いた実験を引き続き行うとともに,新たに気相-液相界面グロー放電マイクロプラズマの生成実験を行い,DNA内包ナノカーボンの創製およびその構造同定法に関する実験を行った. 電解質マイクロプラズマ 1.電解質マイクロプラズマ中に導入した電極にDNA負イオンを照射するための直流電場,及びDNAの内包を容易にするためにDNAを伸長させる高周波電場を重畳印加し,電極に塗付したCNTsへのDNA負イオン照射実験を行った結果,DNA負イオン照射量は直流電場強度,照射時間に依存することが明らかになった. 2.CNTsへのDNAの内包率は直流電場強度と高周波電場強度に依存し,電場強度が大きい程内包率が高くなることが明らかになった. 3.CNTs内部に内包したDNAはその長さによって立体配置が異なり,5nm程度のDNAの場合には直線状,10nmのDNAの場合には,らせん状構造をとることが明らかになった.また,内包したDNAの疎水性部位である塩基が疎水性であるCNTs内壁側を向いて配置すると予想されるので,塩基の電気的特性をCNTsへ容易に反映させることが可能であると考えられる. 気相-液相界面グロー放電マイクロプラズマ 1.気相(プラズマ)-液相(溶液)界面を調べるために,メッシュ電極を用いた溶液混合マイクロプラズマ源を開発した.有機溶媒である流動パラフィンをメッシュ電極に含浸させたところ,安定かつ低電力で溶液混合大気圧グロー状放電プラズマの生成が可能であることが分かった. 2.パラフィン混合プラズマの分光計測を行った結果,有機溶媒由来のものと考えられるCH及びC_2のスペクトルピークが観測された. 3.プラズマ生成による電極上及びパラフィン中の煤状物質のラマン分光分析を行ったところ,グラファイト構造が形成されていることが明らかとなった.これらの結果は,液相物質からナノカーボン物質を形成できることを示しており,その過程で溶液中のDNA等を取り込み,DNA内包ナノチューブ等をこのプラズマにより形成できる可能性を示唆している.
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