Project/Area Number |
16040206
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
関口 秀俊 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (50226643)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥5,600,000 (Direct Cost: ¥5,600,000)
Fiscal Year 2005: ¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2004: ¥2,900,000 (Direct Cost: ¥2,900,000)
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Keywords | マイクロリアクター / プラズマ / 部分酸化 / ベンゼン / フェノール / 数値解析 / トルエン / クレゾール |
Research Abstract |
この研究は、微少空間に大気圧非平衡プラズマを生成させたマイクロプラズマリアクター用いて、有機化合物の革新的な部分酸化反応法を開発することを目的としたものである。マイクロリアクターの特徴である精密な温度や滞留時間の制御と、プラズマの特徴である反応活性化の両効果により、目的とする選択的部分酸化が達成できると期待された。昨年度の成果も含めこれまでの研究により、ベンゼンやトルエンからフェノールやクレゾールの合成を無触媒下で成功し、マイクロプラズマリアクターの有効性を示した。そして生成物の分析から、反応は、芳香環やその官能基の酸化と開裂に大きく分けられると推測された。そこで今年度はこの反応機構の解明を行うことにより、マイクロプラズマリアクターの特徴を明確化することを目的とした。機構解明には数値解析を用い、これによりプラズマ中の生成化学種の挙動解析とプラズマパラメータをはじめとする反応条件の影響を考察した。電子を含む78の化学種と349の素反応をプラグフローモデルに導入し、商用ソフトにて解析した。その結果、モデルは滞留時間に対するベンゼン転化率の上昇や最適値が表れるフェノール収率の挙動を説明した。特にフェノール合成には、酸素分子への電子衝突による酸素ラジカルが大きく寄与する一方で、電子による分解も無視できないことがわかった。さらに推測されたとおり、ベンゼンも電子による開裂が無視できず、これらによって生じるフェニル、フェノキシラジカルなどからの安定な重合物の生成が予測された。シミュレーションのパラメータスタディにより、高電子温度、高酸素濃度、高反応器温度はフェノール収率を向上させる一方で、電子密度は収率に大きな影響は与えなかった。またフェノールの電子開裂反応を抑えることが出きれば、収率向上に最も有効な手段であることも推測された。
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