Budget Amount *help |
¥10,900,000 (Direct Cost: ¥10,900,000)
Fiscal Year 2005: ¥5,900,000 (Direct Cost: ¥5,900,000)
Fiscal Year 2004: ¥5,000,000 (Direct Cost: ¥5,000,000)
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Research Abstract |
非天然状態での疎水効果の役割に関して,以下の研究成果を得た: 1.蛋白質折り畳みにおける疎水凝集効果:分子動力学模擬計算法による解析から,(1)疎水クラスタ残基には強い凝集効果が生成し,折り畳みを加速する,(2)どの蛋白質でも,天然構造と同じトポロジーを持つ構造が数%程度生成するが,(3)これらだけでは特異的な立体構造は生成できない。 2.非天然構造の部分比容と水和効果:実測の部分比容から水和の情報を抽出するために,(1)有機分子,アミノ酸,オリゴペプチド,天然・非天然状態の蛋白質などの部分比容を包括的に予測する方法を開発し,(2)非極性,極性,荷電基の水和と分子表面の曲率の部分比容に対する寄与を評価した。 3.蛋白質の部分圧縮率と水和効果:球状蛋白質の部分圧縮率における蛋白質と和水の圧縮特性の寄与を調べるために,蛋白質の固有圧縮率と部分圧縮率に対する水和効果を定量する方法を開発した。これを5種の蛋白質に適用して,予測が実測を良く再現することを確認した。 4.蛋白質の逆疎水効果:アミノ基をアシル化して分子表面に疎水基を導入した鶏リゾチームの構造安定性を示差走査熱量計(DSC)で精密測定して,疎水基の凝集による逆疎水効果の寄与を定量評価した。4M尿素中でリゾチームのDSC測定から,非常に遅い可逆熱転移が観測され,尿素中では逆疎水効果が弱くなることが分かった。 5.シトクロムcのmolten globule(MG)構造:新開発した等温酸滴定熱量測定法により,天然→MG構造転移に伴う熱力学量変化を精密測定した。酸性高塩濃度下でMG構造の熱転移を観測し,分子体積の増加を伴う安定な中間構造を,またpH4近傍の低塩濃度下でも,天然構造の熱転移でMG構造の安定な中間状態を見出した。
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