温度ジャンプによるプリオン中間体形成反応の速度論的解析
Project/Area Number |
16041218
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
桑田 一夫 岐阜大学, 人獣感染防御研究センター, 教授 (00170142)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥14,400,000 (Direct Cost: ¥14,400,000)
Fiscal Year 2005: ¥8,000,000 (Direct Cost: ¥8,000,000)
Fiscal Year 2004: ¥6,400,000 (Direct Cost: ¥6,400,000)
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Keywords | レーザー / 温度ジャンプ / ラマンシフター / プリオン / ヘリックスA / 非指数関数的緩和 / 熱安定性 / NMR / 高圧NMR / CPMG分散法 / 連続フロー / 中間体 |
Research Abstract |
これまで一般的に用いられて来た高速混合法の時間分解能は100マイクロ秒からミリ秒のオーダーであり、蛋白質の構造形成過程を観測するには不十分な場合が多かった。たとえば、マウスプリオンのフォールディング反応の場合、ヘリックスB,Cの形成反応は50μsの時定数で起きるが、ヘリックスAの形成反応はさらに速く、これまでに時定数を求める試みには成功していない。一方、格子モデルを用いた我々の計算機シュミレーションの結果は、非指数関数的な速度過程がフォールディング反応の初期に出現することを示している。 我々は、蛋白質の速いフォールディング反応を追跡するため、ナノ秒分解能をもつレーザー温度ジャンプシステムの開発を行った。本システムでは、YAGレーザーにより発振された波長1064nmのパルスレーザー光が、水素ガスを封入されたラマンシフターを通り、1907nmの光に変換される。このレーザー光は、サンプル水溶液に吸収され、サンプルの温度を上昇させる。観測光はXeランプを用いた白色の連続光を用いた。検出側は、ナノ秒時間分解能を持つ光電子増倍管を用いた。このシステムにより、温度ジャンプに伴う蛋白質のナノ秒スケールでの応答を、紫外吸収、あるいは、蛍光を用いてモニターすることが可能となった。我々は本システムを用いて蛋白質β-ラクトグロブリンの低温変性からの巻き戻り反応を観測し、反応開始後30μsに出現する新たな反応過程をみいだした。この反応過程は、現在まで観測されたことのない特徴的な非指数関数的挙動を示した。現在、この反応過程の理論的解析を行っている。
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Report
(2 results)
Research Products
(11 results)