Project/Area Number |
16041241
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Nagahama Institute of Bio-Science and Technology |
Principal Investigator |
依田 隆夫 長浜バイオ大学, バイオサイエンス学部, 講師 (50367900)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥5,700,000 (Direct Cost: ¥5,700,000)
Fiscal Year 2005: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2004: ¥3,700,000 (Direct Cost: ¥3,700,000)
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Keywords | ペプチド / タンパク質 / 分子シミュレーション / βヘアピン / 二次構造形成 / コンピューターシミュレーション / 拡張アンサンブル法 |
Research Abstract |
自然界に存在しているタンパク質は単一の相互作用によってではなく、複数の相互作用によって協同的に折れ畳んでいると考えられる。天然の折れ畳み経路とミスフォールディングの経路の各々でどのような相互作用が重要な役割を果たしているのかを分子シミュレーションを用いて研究した。 具体的には、プロテイン-GのC末端側のβヘアピン構造に相当する16残基のペプチド(以下G-peptide)の水中における自由エネルギー地形を、マルチカノニカルレプリカ交換分子動力学シミュレーションの結果に基づいて求め、各状態におけるペプチド分子の立体構造を解析した。 昨年度に引き続き、GROMOS96力場を使用し、水分子モデルとしてSPCを採用した。合計275nsecのシミュレーションにおいて、変性構造から天然構造への折れ畳みが、独立に三回観測された。G-peptideの分子シミュレーションによる研究はこれまでに多数報告されているが、水をあらわに取り扱うシミュレーションにおいて天然構造への折れ畳みが複数回実現したのはこれが始めてである。 G-peptideは、疎水相互作用のほか、スレオニンやアスパラギン酸などの親水的な側鎖が関与する相互作用によっても安定化されていることが知られている。そこで、分子内水素結合や塩橋の形成度合いに注目して結果の解析を行った。 その結果、 (1)Y45とF52の側鎖同士のコンタクトが折れ畳みの初期に形成される (2)Y45とF52の近傍の主鎖の水素結合と、ターン部位のアミノ酸残基の側鎖の水素結合が次に形成される (3)残りの主鎖の水素結合は後から形成されるという結果が得られた。 また、(2)の水素結合が有無が天然構造への折れ畳み経路とミスフォールディングの経路を分ける重要な役割を果たしている可能性が示唆された。
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