新たなマスト細胞活性化抑制因子の同定とその作用機構の解明
Project/Area Number |
16043205
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
佐々木 純子 秋田大学, 医学部, 助手 (30333371)
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Project Period (FY) |
2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥5,900,000 (Direct Cost: ¥5,900,000)
Fiscal Year 2004: ¥5,900,000 (Direct Cost: ¥5,900,000)
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Keywords | イノシトールリン脂質 / アレルギー / PIP5Kα / 遺伝子欠損マウス / マスト細胞 |
Research Abstract |
ホスファチジルイノシトール4-リン酸5-キナーゼ(PIP5K)は、ホスファチジルイノシトール4-リン酸のイノシトール環の5位をリン酸化して、細胞内シグナル伝達に重要な役割を果たすホスファチジルイノシトール4,5-二リン酸(PIP_2)を産生するリン脂質キナーゼである。これまでにPIP5Kα,β,γの3種類のアイソフォームがクローニングされている。申請者は、PIP5Kα遺伝子欠損マウスの作製と解析により、これまで未知であったPIP5Kαの哺乳類個体内での生理機能(の一端)を明らかにした。PIP5Kα欠損マウスは、アレルギー反応の亢進を示した。即ち、IgEで感作されたPIP5Kα欠損マウスは野生型マウスと比べて、抗原特異的な全身性および局所性(皮下)アナフィラキシー反応の亢進を呈した。さらにPIP5Kα欠損マウス由来マスト細胞では、高親和性IgE受容体(FcεRI)を介した脱顆粒反応、サイトカイン産生が顕著に増強していた。PIP5Kα欠損マスト細胞での表現型は、レトロウイルス発現系によるPIP5Kαの導入により正常に復帰することから、PIP5KαはFcεRIを介した上記応答の新たな負の制御因子であると考えられた。本研究ではさらに、PIP5KαによるFcεRIを介した細胞応答の抑制機構について、PIP_2の関与が考えられる、アクチン重合と受容体の動態という観点から解析を進めた。その結果、PIP5Kα欠損マスト細胞では重合アクチン量が減少し、また、IgE刺激に伴うFcεRIの膜ラフトへの局在量が増加しており、その結果マスト細胞の活性化亢進が導かれていることを明らかにした。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)