腸管粘膜局所IL-7ネットワーク制御応用による新規免疫統御療法開発
Project/Area Number |
16043220
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
渡辺 守 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (10175127)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
半田 宏 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 教授 (80107432)
中村 哲也 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (70265809)
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Project Period (FY) |
2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥6,000,000 (Direct Cost: ¥6,000,000)
Fiscal Year 2004: ¥6,000,000 (Direct Cost: ¥6,000,000)
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Keywords | IL-7 / IL-7レセプター / Interferon Regulatory Factor (IRF) / 炎症性腸疾患 / 消化管粘膜免疫制御 / 免疫制御療法 / 細胞内シグナル伝達 / 抗体療法 |
Research Abstract |
本研究は、腸管粘膜でのIL-7/IL-7受容体を介する免疫調節分子機構の解明と、これに基づく炎症性腸疾患に対する新規免疫制御療法確立の理論基盤を構築することを目的とするものである。本研究では当初の研究計画に示した項目につき、下記に示すごとく大きな研究成果が得られた。IL-7受容体を介する刺激が粘膜リンパ球、特に慢性大腸炎局所の粘膜リンパ球に強い増殖活性を有することを見いだした。また、IL-7がモデルマウスにおける大腸炎を増悪し、逆に抗IL-7レセプター抗体で大腸炎が改善することを明確にした。これらよりIECによるIL-7産生が慢性大腸炎発症に密接に関わる可能性を示すとともに、IL-7レセプター高発現粘膜リンパ球がヒト炎症性腸疾患の新規治療標的となりうる可能性を示した。また、大腸炎局所リンパ球のIL-7依存性増殖が正常リンパ球と異なる細胞内シグナル経路を介するとの新知見を見出、現在解析を継続中である。ヒト腸管上皮細胞の解析により、a)IL-7産生が転写レベルで制御されること、b)IL-7転写には遺伝子上流のInterferon Regulatory Factor-Elementを介する転写因子IRF-1/IRF-2による制御が重要であること、c)IRF-1/IRF-2の両者がIL-7産生を正に制御するのみならず、IRF-2は構成的、一方IRF-1は刺激依存性の各々独立したIL-7誘導因子であること、さらにd)ヒト大腸組織にIRF-1/IRF-2が特徴的な局在をもって発現すること、を明らかにし、ヒトにおけるIL-7分泌の調節機構を初めて報告した。これらの成績はIRF-1/IRF-2の新しい協調機構を提示すると同時に、IRF蛋白機能を人為的に制御することにより腸管上皮によるIL-7産生を調節しうる可能性が示され、一定の評価を得ることとなった。現在さらに、腸管上皮におけるIRF蛋白標的遺伝子群の網羅的解析、ならびに上皮細胞分化とリンクしたIRF蛋白機能の詳細な解析を継続中である。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)