好塩基球によるT細胞応答制御の分子機構の解明とその制御
Project/Area Number |
16043222
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
|
Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
瀧 伸介 信州大学, 大学院・医学研究科, 教授 (50262027)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
肥田 重明 信州大学, 大学院・医学研究科, 助手 (10345762)
|
Project Period (FY) |
2004
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
|
Budget Amount *help |
¥5,400,000 (Direct Cost: ¥5,400,000)
Fiscal Year 2004: ¥5,400,000 (Direct Cost: ¥5,400,000)
|
Keywords | 好塩基球 / IL-4 / IL-3 / Th1 / Th2 / アトピー / 細胞増殖 / 細胞内シグナル伝達 / IRF-2 |
Research Abstract |
本研究は、これまでアレルギー性炎症のエフェクター細胞としてのみ捉えられてきた好塩基球の作用、特に生体内でのTh1/Th2バランスの監視について、その機構を明らかにすることを目的とした。具体的には、転写因子インターフェロン制御因子欠損マウスに見られるTh2優位なCD4+T細胞分化が、同マウスにおける好塩基球の異常増殖に起因することを明らかにした。すなわち、同マウスにおいては、非免疫状態でも血清IgE値の上昇、CD4+細胞のIL-4高産生などTh2への自発的なシフトが見られる。さらに、我々は、同マウスにおいでは脾、末梢血、肝において好塩基球数が増加していること、c-kit遺伝子の変異を導入することによって好塩基球を減少させてやると、同時にTh2シフトもまた消失することを明らかにし、好塩基球のTh2シフトにおける機能を証明した。好塩基球の増加メカニズムについては、IRF-2欠損好塩基球がIL-3刺激に対して亢進した増殖応答を示すが、IL-3で誘導されるサイトカイン産生には影響が無いことを見出し、IRF-2がIL-3受容体の下流で選択的にシグナル抑制作用を担っているという示唆を得ている。さらに、in vitroの培養系を用い、確かに好塩基球が中立条件下でのTh2細胞の分化に必須であり、これは、好塩基球が、T細胞活性化初期に産生されるIL-3に反応し、IL-4を産生することによってTh2細胞を誘導するためであることを明らかにした。これらの結果から我々は、好塩基球がTh1/Th2バランスに関して本来は中立であるIL-3の情報を、Th2誘導性のIL-4に変換する細胞性コンバータであり、その数の調節を誤ればTh1/Th2バランスが崩れ、アレルギーなどの原因になりうるという新しい可能性を考えている。
|
Report
(1 results)
Research Products
(4 results)