Project/Area Number |
16043250
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
北村 大介 東京理科大学, 生命科学研究所, 教授 (70204914)
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Project Period (FY) |
2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥6,000,000 (Direct Cost: ¥6,000,000)
Fiscal Year 2004: ¥6,000,000 (Direct Cost: ¥6,000,000)
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Keywords | 感染症 / 癌 / シグナル伝達 / 免疫記憶 / B細胞 / 抗原受容体 / アダプター蛋白 / プラズマ細胞 |
Research Abstract |
抗原特異的な免疫記憶の形成と維持は免疫監視においてきわめて重要な機構である。これを人為的に制御し、感染症や癌に対する強力なワクチンの開発や、アレルギーや自己免疫病の抑止を目指す。BCRを介したB細胞の活性化・増殖に必要なアダプター蛋白BASHの欠損マウスのT細胞依存性抗原に対する免疫応答は、一次応答は低レベルであったが、3週後の二次免疫に対するIgG1産生は正常マウスより高く、そのV領域の体細胞突然変異やNPに対する親和性成熟は十分に起こっていた。意外にも、その高親和性IgG1が長期にわたって高いレベルで維持され、記憶免疫応答も正常よりはるかに高かった。よって、反復免疫による記憶細胞および記憶型プラズマ細胞の形成がBASHを介したBCRシグナルによって負に制御されている可能性がある。この抑制の分子機構を解明すること、特にこれに関わるBASH分子内の部位とそこに作用する分子を同定し、将来の分子標的薬剤開発の基礎を確立することを目的とした。まず、BASH欠損による免疫記憶増強という現象の一般性を確認するために、NP抗原以外に、オリゴDNA-アビジン複合体をBASH欠損マウスに免疫した。その結果、アビジン蛋白に対する抗体産生はBASH欠損マウスでは長期に高値が維持された。一方、DNAに対する抗体価は正常マウスと同様一過性に上昇するのみで、これは末梢トレランスがBASH欠損マウスでも正常に機能していることを示している。以上より、ハプテン(NP)のみならず、蛋白抗原(アビジン)に対する応答においても、BASH欠損マウスでは長期抗体記憶が増強していることが明らかになった。現在、抗原特異的B細胞の数が少ないという要因を除くため、NP特異的Igノックイン・κ鎖変異マウスにBASH変異を導入している。さらに、BASH欠損による記憶形成増強のメカニズムを明らかにするため、in vitro IgG産生系を用いてBCR架橋による抗体産生抑制がBASH依存的かどうかを調べている。
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