パイエル板に発現する免疫制御細胞の機能成熟と自然免疫シグナル
Project/Area Number |
16043257
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | National Institute of Agrobiological Sciences |
Principal Investigator |
辻 典子 独立行政法人農業生物資源研究所, 生体防御研究グループ, 主任研究官 (30343990)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
倉地 幸徳 独立行政法人産業技術総合研究所, 年齢軸生命工学研究センター, センター長 (70344223)
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Project Period (FY) |
2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥5,300,000 (Direct Cost: ¥5,300,000)
Fiscal Year 2004: ¥5,300,000 (Direct Cost: ¥5,300,000)
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Keywords | 抗原誘導型制御性T細胞 / 自然免疫シグナル / パイエル板 / CD4陽性細胞 / 経口免疫寛容 / 消化管免疫 |
Research Abstract |
インターロイキン-18遺伝子欠損マウス(IL-18(-/-))では経口免疫寛容が誘導されないという観察を基礎にし、パイエル板で機能成熟する免疫制御性細胞とIL-18との関連を解析した。 抗原を経口投与したBALB/cマウス由来のパイエル板CD4^+細胞を移入すると耳介浮腫反応を抑制したが、IL-18(-/-)マウス由来の同細胞群では細胞浸潤と炎症をむしろ促進したことから、パイエル板に発現する抗原誘導型制御性T細胞の機能成熟が、炎症性サイトカインであるIL-18に依存することがin vivoの免疫抑制実験系で示された。CD103^<hi>CD25^-CD4^+細胞群はパイエル板に特異的に観察されるが、T細胞レセプター遺伝子導入マウスでは抗原の経口投与によりその比率が増加した。一方でIL-18(-/-)ではこの細胞群の存在比率が低く、かつ抗原の経口投与後も増加しないことから、CD103^<hi>CD25^-CD4^+細胞群はIL-18に依存して機能成熟することが示された。 パイエル板ではCD11c^<lo>B220^<hi>のプラズマサイトイド型がCD11c^+細胞の過半を占めており、他の臓器と比べて大きな特徴となっている。IL-18(-/-)ではこの細胞群の比率が顕著に低下しているが我々はこの現象は無菌マウスでも観察されることを認めており、消化管環境における自然免疫シグナルとの関連が示唆された。また骨髄由来樹状細胞(BMDC)を用いた系では、内在性IL-18が制御性樹状細胞の機能を付加する可能性、抗原提示能を減弱させる可能性が示された。すなわち、MHCクラスII、B7等の発現、T細胞と共培養した際のT細胞増殖やサイトカイン産生等はIL-18(-/-)由来の骨髄由来樹状細胞では野生型と比較して高かった。 以上IL-18は、パイエル板におけるT細胞、樹状細胞の免疫制御性細胞への機能成熟を支持すると考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)