未分化型精原細胞の可視化による精子形成幹細胞システムの解析
Project/Area Number |
16045208
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
吉田 松生 京都大学, 医学研究科, 助手 (60294138)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥6,000,000 (Direct Cost: ¥6,000,000)
Fiscal Year 2005: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2004: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
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Keywords | マウス / 生殖細胞 / 精子形成 / 幹細胞 / 精原細胞 |
Research Abstract |
ほ乳類成体精巣における精子形成幹細胞システムは、未分化型精原細胞と呼ばれる一群の細胞によって担われている。研究代表者は、未分化型精原細胞に特異的に発現する遺伝子としてngn3(neurogenin3)を同定した(Yoshida et al., Developmental Biology 2004)。その制御領域を用いたトランスジェニックマウスを作成、ngn3陽性精原細胞を種々の外来遺伝子で標識し、以下のようにその個体内での挙動を検討した。 (1)ngn3陽性精原細胞の精巣内での挙動のリアルタイム観察。 研究代表者は、マウス個体を麻酔下に蛍光顕微鏡下で精巣内のGFP陽性細胞を数日にわたり連続観察する実験系を確立している。本年度、GFP陽性細胞精原細胞が精巣内で特徴的な局在と、分裂、移動を示し、それが精細管周期と密接に関わっていることを明らかにした。 (2)発達期における未分化型精原細胞の出現と、最初の精子形成の解析。 生殖細胞においてngn3遺伝子は、出生時のゴノサイトまでは検出されないが、生後3-5日に少数の精原細胞でその発現を開始することが分かった。ngn3発現細胞にCreリコンビナーゼを発現するトランスジェニックマウスを用いて、ngn3を発現する細胞と、発現しない細胞の子孫をそれぞれ別の遺伝子で標識する系を作製し、それぞれの運命を追跡した。その結果、生後約40日に初めて放出される精子は、ngn3を発現することなく分化過程に入る細胞により作られること、その後一生の間作られ続ける精子は、全て、幹細胞として機能するngn3陽性細胞の段階を経て作られることを明らかにした。これは、長年謎であった、精子形成の初期段階と、幹細胞の成立のメカニズムを、細胞系譜を追跡することによって初めて明らかにしたものである。(Yoshida et al., Development,2006)
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)