脂肪細胞におけるインスリン作用伝達分子の発現調節と生体機能制御における意義
Project/Area Number |
16046219
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
荒木 栄一 熊本大学, 大学院医学薬学研究部, 教授 (10253733)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
豊永 哲至 熊本大学, 大学院医学薬学研究部, 助手 (60295128)
西川 武志 熊本大学, 大学院医学薬学研究部, 助手 (70336212)
水流添 覚 熊本大学, 医学部附属病院, 助手 (50398202)
松村 剛 熊本大学, 医学部附属病院, 医員 (20398192)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥7,800,000 (Direct Cost: ¥7,800,000)
Fiscal Year 2005: ¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,900,000)
Fiscal Year 2004: ¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,900,000)
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Keywords | 脂肪細胞 / インスリン / IRS-1 / インスリン受容体 / マクロファージ / AICAR |
Research Abstract |
本研究は脂肪におけるインスリン作用伝達分子の発現調節機構ならびに生体レベルでの糖代謝制御に及ぼす影響について解明を目指すものである。 平成17年度、IRS-1トランスジェニックマウスの構築、解析を推し進めた。導入遺伝子はヒトIRS-1cDNAをマウスIRS-1遺伝子プロモーター制御下に発現する様デザインした。外来性IRS-1の発現を定量的RT-PCRおよびウエスタンブロット法で行い、肝臓、骨格筋、脂肪組織での発現を確認したが、IRS-1発現増加の程度は組織により異なり、脂肪細胞では発現がより増強していた。IRS-1Tgマウスの出生時体重は野生型マウスと差はなく、通常食摂餌下の体重変化も野生型マウスと差は認めない。IRS-1Tgマウスの、摂餌量、空腹時血糖値は野生型(WT)と差がないが、随時血糖値、ipGTT後の血糖値は野生型に比較し有意に高値であった。また興味深いことにIRS-1Tgマウスでは脂肪組織増加を認め、精巣周囲脂肪量でみると野生型の約1.6倍に増加していた。組織学的には脂肪細胞のサイズは野生型と大差はなく、おそらく前駆細胞から脂肪細胞への分化がIRS-1Tgマウスでは亢進しているのではないかと考えている。またTgマウスでみられた軽度の耐糖能悪化は予想に反したものであり、脂肪蓄積と生体のインスリン感受性に及ぼす影響、さらにはインスリン分泌能について今後検討を要する。 また近年血球系細胞の一つマクロファージと脂肪機能制御の関連が示唆されるが、我々はスタチンによるマクロファージ増殖抑制作用および本作用へのsmall G蛋白/p38 MAPK経路の関与を明らかにした。本知見はスタチンの抗動脈硬化作用に関する新たな治療作用部位をしめすのみならず、マクロファージが脂肪内に浸潤、増殖し、脂肪細胞機能を制御するという知見とあわせ、スタチンが脂肪機能モジュレーターとなりうる可能性を示唆するものである。
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Report
(2 results)
Research Products
(8 results)