好中球NADPHオキシダーゼの細胞質から膜への信号変換に関する構造生物学的研究
Project/Area Number |
16048201
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小椋 賢治 北海道大学, 大学院・薬学研究科, 助手 (50270682)
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Project Period (FY) |
2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2004: ¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
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Keywords | 好中球 / 活性酸素 / タンパク質 / 立体構造 |
Research Abstract |
好中球の活性酸素発生系にて活性酸素発生を触媒するNADPHオキシダーゼは細胞質因子と膜タンパクの複合体である.その複合体形成の中心的役割を担う分子間相互作用は,細胞質因子のひとつp47phoxと膜タンパク質サブユニットp22phoxの結合である.活性酸素発生系の休止状態においては,p47phoxのふたつのSH3ドメイン領域(タンデムSH3)は,そのC末端側領域(PBR/AIR)により分子内マスクされp22phoxと結合できないが,PBR/AIR領域内セリン残基のリン酸化により,分子内マスクが解除され,p47phoxのタンデムSH3がp22phoxのプロリンに富む領域(PRR)と結合し,活性酸素発生系がオンになる.本研究課題の目的は,休止状態および活性化状態におけるp47phoxの動的構造をあきらかにすることである. (1)休止状態におけるp47phoxの動的構造 p47phoxのタンデムSH3ドメイン+PBR/AIR領域およびタンデムSH3ドメイン領域単独について,X線小角散乱測定をおこない,距離分布関数を算出した.その結果,PBR/AIR領域存在時のp47phoxの分子形状は,全長60Åのコンパクトな球状であるのに対して,PBR/AIR領域非存在時では,全長80Åの延びた立体構造を形成していることがわかった. (2)活性化状態におけるp47phox-p22phox PRRペプチド複合体の溶液中での立体構造 p47phoxタンデムSH3ドメインおよびp22phox由来PRRペプチドをモル比1:1にて混合し,タンパク-ペプチド複合体試料を得た.多次元NMRスペクトルを測定し,溶液中での立体構造を決定した.この立体構造では,ふたつのSH3ドメインが,リガンド認識部位を共有するように対向して,p22結合部位を形成していることがわかった.p22ペプチドはPPII型ヘリックスを形成し,さらにC末端側領域ではαヘリックスを形成していた.
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)