固体NMR法を用いたβアミロイド-ガングリオシド系の相互作用の解明
Project/Area Number |
16048207
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
朝倉 哲郎 国立大学法人東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究部, 教授 (30139208)
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Project Period (FY) |
2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥3,800,000 (Direct Cost: ¥3,800,000)
Fiscal Year 2004: ¥3,800,000 (Direct Cost: ¥3,800,000)
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Keywords | β-アミロイド / Alzheimer病 / 固体NMR / 配向系固体NMR / リン脂質 |
Research Abstract |
Alzheimer病の発症機構として、β-amyloid(Aβ)と膜成分糖脂質であるガングリオシドGM1の相互作用が、沈着・凝集を引き起こしている可能性が指摘されている。このGM1結合型Aβの構造と相互作用の徹底解明は、Aβ凝集阻害剤などの開発を通して、Alzheimer病克服のキーとなりうる。本研究では交付期間の1年間で、脂質膜-ペプチド系に関する固体NMR解析法および、繊維タンパク質の精密構造解析法を確立、国際関連誌4誌に掲載した。さらに、その技術をGM1結合型Aβを含有した脂質膜の挙動、および溶液NMR法によるGM1結合型Aβの相互作用の解明を試みた。 まず、AβとGM1ガングリオシド間の相互作用を溶液状態で検討するために、^1H-^<15>N HSQC法を用いて、混合に伴うAβの^<15>Nおよび^<15>NH化学シフトの変化を追跡した。混合に伴い、E_3,F_4,R_5残基およびH_<13>,Q_<15>,K_<16>,L_<17>残基部位において選択的に化学シフト変化が観測された(Fig.2)。Aβのこれらの部位にはArgやHis残基などの荷電性アミノ酸が存在するとともに、GM1には負電荷を持つシアル酸があるため、その間の静電的相互作用が重要な役割を果たしていることが推測された。 また、Aβペプチドがリン脂質(DMPC)膜に及ぼす影響を検討するため、DMPC/Aβ系での角度依存^<31>P固体NMR測定を行った。DMPCアシル鎖の方向と外部磁場の角度を0°(平行)、45°、90°(垂直)と設定した。約55%は、その角度に依存しない無配向成分であった。Aβ添加前後のスペクトル変化を検討することによって、膜破壊が起きていることがわかった。一方、配向成分は2種類観測された。本研究ではこれら2成分について、配向性は保たれているが、局所的な運動性が増加した脂質膜が存在していると結論づけた。 以上の成果は現在、投稿準備中である。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)