Project/Area Number |
16048210
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
加藤 将夫 金沢大学, 自然科学研究科, 助教授 (30251440)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻 彰 金沢大学, 自然科学研究科, 教授 (10019664)
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Project Period (FY) |
2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2004: ¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
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Keywords | アピカル膜 / トランスポーター / PDZタンパク質 / 物質輸送 / 異物排除 / 尿細管再吸収 / タンパク質間相互作用 / 極性細胞 |
Research Abstract |
腎臓や小腸は外界からの低分子異物の侵入を防ぎ、かつそれらを生体から排除する一方、生体に必要な栄養物質を吸収している。これら臓器の上皮細胞アピカル側膜上には、異物を排出し栄養物質を吸収する巧妙な分子メカニズムとして薬物トランスポーター群が存在する。本研究は、異物解毒と栄養吸収という双方向のベクトル輸送を司る高次の分子機構の解明を目指し、薬物トランスポーター分子内に存在する共通の分子配列を同定するとともに、その配列を認識しトランスポーターの機能を制御するアダプタータンパク質の同定を目的とした。Yeast two hybrid法および遺伝子組換え精製タンパク質を用いたpull-down法により、solute carrier superfamilyに属する薬物トランスポーター20種類のC末端と、腎臓および小腸に発現する4つのPDZドメインを有するタンパク質との相互作用を解析した結果、アピカル膜に発現する数種類のトランスポーターとの特異的相互作用を見いだした。このうち腎アピカル膜に局在するPDZタンパク質であるPDZK1存在下で、ペプチドトランスポーターPEPT2および有機カチオン/カルニチントランスポーターOCTN2の基質輸送能の亢進が認められた。特にOCTN2による基質輸送能に及ぼす促進効果は顕著であり、基質に対する親和性の変化ではなく輸送キャパシティーの約6倍の上昇により説明できた。また細胞表面に発現するOCTN2をビオチン標識とWestern blot法により定量したところ、PDZK1はOCTN2の形質膜上での発現量には影響を与えておらず、相互作用により直接輸送を制御することが示唆された。免疫共染色によりPDZK1とOCTN2は腎尿細管刷子縁膜に共局在することが示された。以上の知見は、薬物トランスポーターがアピカル膜において個々に単独で存在するのではなく、PDZタンパクを介したクラスターを形成することにより異物の排除と栄養物の吸収を担っていることを強く示唆するものである。
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