付加環化反応を基軸とする多置換中員環炭素骨格構築法の開発
Project/Area Number |
16073201
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
谷野 圭持 Hokkaido University, 大学院・理学研究院, 教授 (40217146)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉村 文彦 北海道大学, 大学院・理学研究院, 助教 (70374189)
宮下 正昭 工学院大学, 工学部, 教授 (50006326)
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Project Period (FY) |
2004 – 2007
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2007)
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Budget Amount *help |
¥41,000,000 (Direct Cost: ¥41,000,000)
Fiscal Year 2007: ¥11,600,000 (Direct Cost: ¥11,600,000)
Fiscal Year 2006: ¥11,400,000 (Direct Cost: ¥11,400,000)
Fiscal Year 2005: ¥11,400,000 (Direct Cost: ¥11,400,000)
Fiscal Year 2004: ¥6,600,000 (Direct Cost: ¥6,600,000)
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Keywords | アセチレンジコバルト錯体 / 付加環化反応 / 中員環 / 天然物合成 |
Research Abstract |
昨年度は、独自のシクロペンテンアヌレーション法および橋頭位アニオンを用いるA環部導入法を駆使し、ダイズシスト線虫孵化促進物質グリシノエクレピンAの不斉全合成を達成した。今年度はまず、この知見をさらに発展させて天然物グリシノエクレピンBの不斉全合成を目指した。本化合物はグリシノエクレピンAの類縁体であるが、D環上の側鎖にγ-ヒドロキシ-α,β-不飽和カルボン酸部位を有する点が異なる。この部位の立体選択的構築法を検討した結果、光学活性配位子を用いる不斉野崎-檜山-岸カップリング反応を用いることにより、世界初の不斉全合成を達成することができた。一方、昨年度から着手した高次構造天然物アザジラクチンの全合成研究においては、高度に縮環したEFG環部の効率的な合成法を検討した。その結果、Nazarov環化反応によりE環を、分子内ェーテル環化によりF環を、メチルチオ基を水銀塩で活性化する分子内グリコシル化反応によりG環を各々構築し、モデル化合物の効率的合成に成功した。今後は、この知見を既に確立したC8位四級不斉炭素の立体選択的構築法と組み合わせることで、アザジラクチンの全合成が達成する計画である。さらに、海洋産天然物スクレロフィチンAの全合成研究において、以下の画期的な進展があった。従来は、[6+4]型付加環化反応により構築した11-オキサビシクロ[6.2.1]ウンデカン骨格が、脱コバルト錯体化反応により天然物とは異なる11-オキサビシクロ[5.3.1]ウンデカン骨格に転位してしまうことが最大の問題点となっていた。これに対して今年度、エノールエーテル部を酸化後、共役付加反応によるイソプロピル基の導入を経て、元の11-オキサビシクロ[6.2.1]ウンデカン骨格を再生する新手法を見出した。これにより、スクレロフィチンAおよび類縁化合物に共通する炭素骨格の構築に成功した。
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Report
(4 results)
Research Products
(18 results)