LHCにおけるハードプロセスの系統的研究:標準模型の予言精度とその限界
Project/Area Number |
16540255
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Particle/Nuclear/Cosmic ray/Astro physics
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization (2005-2006) Hiroshima University (2004) |
Principal Investigator |
小平 治郎 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 教授 (40127080)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 和廣 順天堂大学, 医学部, 講師 (70263671)
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Project Period (FY) |
2004 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 量子色力学 / 摂動論 / 輻射補正 / 高エネルギー実験 / LHC / RHIC |
Research Abstract |
標準模型の予言精度の向上は、2007年のLHC実験の開始を控え、最重要課題となっている。摂動論的QCDの手法を用いることにより、高エネルギー散乱過程におけるQCD効果は評価されるが、摂動展開によるスキーム依存性、位相空間の端で生ずる摂動展開の破綻などの問題は依然として解決されていないのが現状である。全く同じ理論的問題は、RHICで行われている核子・核子散乱実験の扱いでも生じるので、RHICでのDrell-Yan過程をモデル・ケースとし、特に、位相空間の端での摂動展開の全次数足し上げ("軟グルオン足し上げ")の問題に関してスキーム依存性と精度を明確にした定式化を行った。そして、これに基づいた観測量の数値的計算が、核子の様々な衝突エネルギーと偏極の場合について可能になった。RHICでの、低横運動量レプトン対生成の数値的評価を行い、スピン観測量が、従来の予想より大きな値となることがわかった。同様な計算を、J-PARCやGSIの計画で想定されている、より低い衝突エネルギー、あるいは反陽子ビームの場合にも行った。これらの場合にはスピン観測量がさらに大きな値になり、実験データから非摂動的効果の情報を引き出すのに有利であることがわかった。 重いクォークを含むハドロン生成、崩壊に関しては、B中間子の光円錐波動関数および構造関数について、QCDの輻射補正を計算した。その結果、輻射補正と幕補正が複雑に"入り組んで"現れることが明らかとなり、これを演算子積展開を用いて系統的に分離する方法を発展させた。 以上の結果についてはすでに発表したものもあるが(「雑誌論文」参照)、研究代表者の急逝のため、かなりの部分が未発表である。これらを、将来のLHC実験に向けてより詳細に記述した論文は、研究分担者が中心となってまとめて今後発表していく。
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Report
(3 results)
Research Products
(11 results)