脂質2分子膜小胞の界面活性剤による縮小現象の理論解析
Project/Area Number |
16540369
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Biophysics/Chemical physics
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
梅田 民樹 神戸大, 海事科学部, 助教授 (90243336)
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Project Period (FY) |
2004 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2005: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | 脂質膜 / リポソーム / ベシクル / 界面活性剤 |
Research Abstract |
脂質2分子膜からなる膜小胞に界面活性剤を加えたとき膜が周期的に揺動する現象が観察されることがある。この現象を解明するため、顕微鏡像の画像解析を行うとともに膜揺動の統計力学理論を用いた理論解析を行った。その結果、(i)膜に周期的に開いた穴からの水の流出に伴い膜小胞の体積が減少し、余剰となった膜が熱揺動を起こしていること、(ii)膜の溶解による面積減少に伴い余剰膜が減少し熱揺動が抑えられること、(iii)界面活性剤の影響で穴の縁に働く線張力が大きく低下していることが明らかになった。 次に、界面活性剤およびタリン等のタンパク質による膜小胞の開口現象の要因を解明するため、膜の弾性理論に基づいて開口型膜小胞の形を数値的に計算した。その結果、穴の縁に働く線張力が通常の脂質膜と比べて大きく低下すると膜に安定な穴が開く場合があること、2分子膜の表面と裏面の脂質分子数の差が穴の数や膜の形に影響することが明らかになった。数値計算で得られた膜の形は実験結果と良く一致しており、このことから界面活性剤やタリンは膜の線張力を大きく引き下げる効果を持ち、その結果膜に穴を開けると推察される。また、研究協力者である末崎とともに膜開口と穴の縁への分子の吸着との関係を理論的に解析し、線張力が界面活性剤やタンパク質の濃度と膜に開いた穴の大きさで決まることを示すとともに、膜の自発曲率が穴の安定性に与える影響について検討を行った。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)