先天性腎疾患の早期発見のための3歳児検尿の施行法および費用対便益の検討
Project/Area Number |
16591016
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Pediatrics
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
平岡 政弘 福井大, 医学部, 助教授 (20158512)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塚原 宏一 福井大学, 医学部附属病院, 講師 (90207340)
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Project Period (FY) |
2004 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 3歳児健診 / 尿スクリーニング / 蛋白尿 / 尿蛋白クレアチニン比 / 腎機能障害 / 低異形成腎 / 尿比重 |
Research Abstract |
腎尿路奇形による腎機能障害と診断された6人の小児患者について尿所見を検討した。6人はいずれも男児であり、現在の年齢は1歳8ヵ月〜14歳1ヵ月(中央値7歳10ヵ月)で、Ccrは12〜60(中値38.9)ml/分/1.73m^2であった。このうち5例は両側低異形成腎で、残り1例は一側腎に高度低異形成を、他側腎に瘢痕を有していた。6人の初診時の年齢は3ヵ月〜12歳2ヵ月(中央値5歳9ヵ月)で、腎疾患の診断に至った契機は、両側低異形成腎の5例中4例は蛋白尿(±〜++、>20mg/dl)、1例は膿尿であり、腎瘢痕例は尿路感染症であった。両側低異形成腎の5例中4例で尿試験紙マルチスチックスPROによる尿比重は1010以下であり、残り1例も治療によって蛋白尿が消失すると1010以下となった。初診時の尿蛋白/クレアチニン比(Up/Ucr)は0.15〜3.52(中央値0.87)と高値を示し、5例において血清クレアチニンは高値(0.87〜2.22mg/dl)を示していた。このように、小児の腎機能障害の主要原因である腎尿路奇形のほとんどを占める両側低異形成腎では、腎機能障害に進展した時点で既に軽度ながら蛋白尿を呈していることが確認された。両側低異形成腎では、希釈尿のために尿試験紙では尿蛋白陰性でもUp/Ucrは高値を示していた。 3歳児52人の尿スクリーニングにおいて、早朝尿のUp/Ucrを定量したところ、0.0814±0.0216で、平均値+2SD=0.1247であった。自動測定装置を用いた尿試験紙による検査では、2例で蛋白尿が±以上、1例で蛋白/クレアチニン比が高値であったが、定量検査によるUp/Ucrはいずれも正常範囲内(平均値+2SD以下)であった。また、尿試験紙による尿比重は7例で1010以下であった。 以上の検討より、3歳児のスクリーニングでは、自動測定装置を用いた尿試験紙による蛋白尿は±以上(約4%)を、Up/Ucrは0.15以上を異常とするのが適当と考えられた。また早朝尿の尿比重が1010以下の頻度は約14%と高く、尿スクリーニングの前日夜に水分摂取を少なくするように指示する必要があると考えられた。
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Report
(1 results)
Research Products
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