注意欠陥/多動性障害(ADHD)の生物学的要因の解明
Project/Area Number |
16630005
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 企画調査 |
Research Field |
Neurochemistry/Neuropharmacology
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
船橋 新太郎 京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 教授 (00145830)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 伸郎 京都大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (10152729)
村上 新治 札幌医科大学, 保健医療学部, 教授 (30142756)
尾崎 久記 茨城大学, 教育学部, 教授 (40092514)
田中 昌司 上智大学, 理工学部, 教授 (30188304)
瀧田 正寿 産業技術総合研究所, 人間福祉医工学研究部門, 主任研究官 (40344204)
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Project Period (FY) |
2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2004: ¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
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Keywords | ドーパミン / 前頭連合野 / 注意欠陥 / 多動 / 発達障害 / 動物モデル |
Research Abstract |
ADHD、前頭連合野の機能異常、ドーパミン(DA)調節系の変化との間に深い関係が示唆されている。ADHDが若年児童に主として見られることから、発達の初期に前頭連合野内で生じたDA調節系に関連したある種の変化がADHDの原因であると考えられる。この仮説が正しいかどうかを検討し、その変化を安全に是正する方法を見つければ、この障害を克服することができる。そのためには、(1)ラットやマウスに替わり、ヒトに近いサルによるADHDの動物モデルの確立、(2)DA関連薬物の細胞レベルの作用機序の解明、(3)DA関連薬物が神経回路網レベルで果たす調節動態の解明、(4)DAと他のモノアミン、カテコールアミンとの相互作用の解明、(5)動物モデルによるDA関連薬物の効果の検証、(6)より安全で治療に有効な化学物質の探索、(7)定量的な指標による診断法の確立、などが不可欠である。そこで、これらの項目に関する調査・研究を短期間に集中して実施し、共同研究グループの確立と共同研究計画の策定をめざした。 2回の研究会と1回のシンポジウムを京都で開催した。研究会では教育者、精神科医、カウンセラーを招き、「前頭連合野の機能異常」、「DA調節系の変化」の2要因の妥当性を検討した。しかし、ADHD児が示す障害のスペクトルの多様さ、MPDを含む薬物の効果の多様さが報告者の話題の中心になり、ADHDの生物学的要因の絞り込みが難しいことが明らかになった。しかし様々な報告は、ADHD、前頭連合野の異常、DA調節系の変化に深い関係のあることを示していることから、調査の目的である「発達の初期に前頭連合野内で生じたDA調節系に関連したある種の変化がADHDの原因である」という仮説にもどり、この妥当性を考察するために、C.R.Yang博士、Y.Goto博士、G.Frankle博士、B.M.Li博士を招待し、シンポジウムを開催した。ADHDの専門家、前頭葉障害に関わる神経心理学者、DAの作用機序に関する神経科学者が会し、議論した結果、「発達の初期に前頭連合野内で生じたDA調節系に関連したある種の変化がADHDの原因である」は当面非常に有効な仮説であることを確認した。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)