Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Research Abstract |
最終年度については,これまでの研究を発展させると同時に,当初予想していなかった大きな発展があった.以下,4項目に分けて述べる. 1.マルチ・ラフ集合論について,基本的な理論体系が完成した.関係データベースの記号をもとにした記法,基本演算,多様相論理との関係,理論的性質,可能性理論との関連などについてまとめ,英文学術誌論文として刊行した. 2.新たに,マルチ・ラフ集合論がクラスタリングの拡張概念と必然的な関連性をもっていることが判明した.この理論は今後発展させ,ラフ集合論の新たな地平を開拓する予定である.ラフ集合論の国際会議RSCTCでこの研究成果について発表した. 3.マルチ・ラフ集合論の拡張版として位置づけられるファジィ近傍システムを考察し,これをカーネルデータ解析の方法と関連付けることに成功した.このことによって,カーネルデータ解析とマルチ・ラフ集合という一見関連がないようにみえる二つの体系が密接に関係していることが明らかとなり,今後の理論・応用展開に新たな見通しができた. 4.一方で,リスク解析への応用については,論文発表には未だ至っていないが,条件論理を用いた方法に基づく技法を利用するおおよその見通しが立っているため,近く発表したい. これらをまとめて自己評価すると,当初の見通しについては,すべての側面で研究発表には至っていないが,萌芽的研究であるため,基本的な部分が完成したことで,一応の成功と考えている.また,当初予定していなかった,クラスタリング,カーネルデータ解析について考えると,当初の予定よりもはるかに大きな成果を収めることができ,萌芽的研究の特性を十分に活かすことができた.今後,この研究で得られた成果を十分に活用していきたい. なお,本研究に関してISME2006(2006年3月)で発表した論文について,excellent paper awardを受賞している.
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