Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Research Abstract |
本研究では,人間型の水泳ロボットを作成するための前段階として,水泳中の泳者の各身体部位に生じる流体力や慣性力を推定するために中島ら(2005)が開発したシミュレーションソフト"SWUM"を用いて,シミュレーションを行ってきた.しかしながら,シミュレーション結果の妥当性を検討するためには,人体もしくはその模型を用いて,各種力学量を実測し,比較検討する必要がある.そこで18年度は,人体手部模型を作成し,その模型を回流水槽中で非定常な運動をさせた際の3軸方向の力を測定した.実験では,流速や移動速度あるいは迎角等を変化させながら,泳者のストローク動作を模倣した運動を行わせ,その際手部に生じている流体力を計測した.次にモデル実験で用いた手部モデル形態に関するデータをSWUMモデルに代入し,さらにモデル運動時の迎角,流入角,移動速度などのデータもSWUMに代入し,各種力学量を計算した. その結果,モデル実験における実測値とシミュレーション結果を比較すると,SWUMによって推定された力は,実測値よりやや小さく,過小評価されることが明らかとなった.ロボットを作成する際にどの程度の出力能力を持つモータを用いるかは大変重要なポイントとなるので,モデル実験のデータをもとにSWUMで用いている各種抵抗係数の同定を再度行った.具体的には,シミュレーションによって求まった肩関節に生じる力とモデル実験による実測値との誤差の2乗平均値が最も小さくなるように,各種抵抗係数を最適化手法により決定した. 以上の過程を経て求まった抵抗係数を用いて,一流の男子自由形選手のクロール時のシミュレーションを実施した.その結果,各関節に生じるトルクおよび身体全体で発揮されるパワーが明らかとなった.結果の一例をあげると,泳速度が1.9m/sの場合,全発揮パワーは750.34W,実際に推進に使われたパワーは159.6Wであり,機械的効率は21.2%という結果が得られた.
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