Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Research Abstract |
1.小中学生向けコンテンツの開発 昨年度の研究結果にて明らかにした本研究における学習支援システムの機能のうち,特に見学開始時における一斉解説の際に活用するためのコンテンツを開発した.1回の見学時では8〜10コンテンツ(各コンテンツは30〜60秒で構成される)を提示するが,昨年度の研究結果より,発達段階に応じて見学時の興味対象が変化することが明らかになり,また同じ学年でも先端研究に関しては個々の既得知識の量が大きく異なることに対応するため,小学生向け・中学生向けとして各12コンテンツを開発した.コンテンツ開発時には,言葉使いや例え,アニメーションの使用などに関する基準を設定し,コンテンツ開発者がコンテンツの内容自体にあまり精通していなくても開発できるような開発サイクルとシステムを採用し,発達段階に適したコンテンツを作成した.また,今回開発したコンテンツは,個別学習時にも活用できるようにするためflash形式で作成を行い,幅広い機器で提示できるものを作成した. 2.見学者の学年や既得知識などに応じて,最適なコンテンツを自動的に提示するシステムの開発 1.で開発したコンテンツの中から,その時々の見学者の学年や既得知識などの属性に応じて,最適なコンテンツを自動的に選択し,シナリオを動的に自動生成するシステムの開発を行った.解説者・見学者に認知負荷をかけずに,見学者の属性情報を収集する手段として,アクティブ型RFIDを使用した.開発されたシステムでは,児童・生徒が一人一つずつ持っているRFIDタグのID情報から,属性データベース中の見学者の属性データとコンテンツに属性ごとに付けられた重みを基に,8〜10コンテンツで構成されるシナリオを生成し,再生を行う. 3.評価実験 東京大学宇宙線研究所神岡宇宙素粒子研究施設(通称「スーパー・カミオカンデ」)を見学に訪れた中学生2グループ(合計47名)を対象に評価実験を行った.システムは,問題なく作動し各グループ各々に異なるコンテンツが提示された.本研究で開発したシステムで提示したコンテンツに対しての評価は,27.5%の生徒が理解しやすい・やや理解しやすい,35%が理解しにくい・やや理解しにくいと回答した.既存の施設紹介ビデオに対する回答はそれぞれ,10%,47.5%であり,理解しやすい・やや理解しやすいと回答した生徒の割合が増え,理解しにくい・やや理解しにくいと回答した生徒の割合が減っており,本システムが有効であることが判明した.
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