Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2004: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Research Abstract |
本研究に於いて,はじめに疾患モデルラットを用いてゲンタマイシン投与による急性腎毒性関連蛋白質を同定した。ゲンタマイシン投与後,腎毒性に比例し,分子シャペロンHSP70が特異的に誘導された。さらに,腎毒性に比例してライソソームが腫大化し,快復期には元の大きさに戻った。腫大したライソソーム内にはHSP70とゲンタマイシンの複合体が検出され,HSP70とゲンタマイシンの複合体形成が腎毒性と密接な関係にあることを報告した。 また,ヘリコバクター細菌によるアンモニア発生が胃癌を誘発することが知られているが,モノクロラミン投与によってもヘリコバクター細菌様の胃粘膜障害が報告されている。このため,モノクロラミンによる胃粘膜障害モデル細胞を作成し,変動蛋白質を解析した,その結果,分子シャペロンHSP70が胃粘膜保護に有効であることを解明した。このため,遺伝子発現用ベクターにヒトHSP70遺伝子を組み込み,HSP70高発現胃粘膜細胞を作製した。HSP70高発現胃粘膜細胞では,モノクロラミン投与による胃粘膜障害が軽減されることを報告した。このように,腎毒性と胃粘膜障害においては分子シャペロンHSP70が特異変動マーカー蛋白質と考えられる。 次いで,HSP70を特異的に検出するプロティンチップの作製として,ポリマーをベースとした支持体に,HSP70の抗体を固定化することにより検出を試みた。超臨界二酸化炭素を用いたポリマーをベースとした支持体を作製した。 このように,プロティンチップを用いた疾患特異マーカー検出システムの構築に向けた基礎研究はほぼ終了し,検出感度や信頼性などの実際面を検討中である。
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