Budget Amount *help |
¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
Fiscal Year 2006: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2005: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Research Abstract |
これまでに開発したディジタル信号処理のためのアルゴリズムを検証するために,組み込み型のマイクロコンピュータ上でアルゴリズムの演算処理を実施し,実際にセンサーを接続して,その性能評価を実施した。可能な限りセンサーの機械的な精度を高め得るようセンサーとしては最も単純な動コイル型を用いることを前提としたアルゴリズムを構築しているため,この検証においても動コイル型の地震計を用いた。センサーの設置状態の自己診断では,振り子の固有周期と減衰定数を検出する必要がある。そのために,観測時の回路とは別に,センサーのキャリブレーション用のアナログ回路を付加し,観測精度に影響を与えることなくセンサーの特性を診断できるようにした。この回路は,センサーに対して強制的に電流を流して振り子のインパルス応答を出力させ,その出力波形を用いて簡単な逆解析手法を適用することで,振り子の固有周期と減衰定数を同定するものである。しかし,回路のアナログノイズなどのS/N比の影響や,スイッチの切り替え時間の遅れなどが理論とのずれの原因となっており精確な定数の同定の障害となっていることが明らかとなった。そこで,これらの影響を考慮したアルゴリズムとして,インパルス応答の同定に時間遅れの項を導入し,固有同期及び減衰定数の固定精度を高めることに成功した。また,上記の回路,アルゴリズムによって得られた地震計のパラメータを用いて自動的に観測記録の計器補正を行うアルゴリズムについて検討を行ったが,本研究で用いた組み込み用汎用マイクロコンピュータ(日立製H8)はこのような用途には非力で十分なパフォーマンスを得ることができなかった。これはアルゴリズムそのものの問題である可能性もあり,今後の改良の余地が十二分にあるものの,本年は本研究の最終年度にあたるため,所期の目標である計器補正の部分については,観測終了後の後処理で対応した。
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