15世紀イタリア絵画における「結婚」と女性の「徳」の表象
Project/Area Number |
16652008
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Aesthetics/Art history
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Research Institution | Hyogo University of Teacher Education |
Principal Investigator |
喜多村 明里 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 助教授 (90294264)
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Project Period (FY) |
2004 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2006: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | ルネサンス / 女性 / 人文主義 / フェミニズム / 名婦人伝 / ボッカッチョ / レオナルド・ブルーニ / モデラータ・フォンテ / プロフィール肖像 / 結婚 / 家族 / 貞潔 / ドメニコ・ギルランダイオ / レオナルド・ダ・ヴィンチ |
Research Abstract |
ルネサンス期のイタリア社会における女性概念に関し、同時代文献および歴史学文献の精読を通じての調査・研究を続行した。この成果については、すでに平成17年度イタリァ学会全国大会でおこなった研究口頭発表の内容を改良・補足する形で新たな論文にまとめ、「人文主義と女性論の系譜:モデラータ・フォンテ著『女性の価値』(ヴェネツィア、1600年)を通じて」と題して『イタリア学会誌』第56号(2006年10月)誌上にて発表することができた。14世紀後期から17世紀初頭にかけて刊行された名婦人伝・女性論関係の文献一覧を作成して考察した結果、ポッカッチョ『名婦人伝(De mulieribus claris)』(1361-62年頃)を初めとしてルネサンスの人文主義は傑出した古代女性の範例を見いだし、15世紀後期から16世紀末には、中世以来のミソジニー(女性嫌悪)あるいは女性蔑視の伝統と、女性の肯定礼賛論のあいだで論争が繰り返されていたことがわかる。近現代におけるフェミニズムや女性学の興隆の背景、その遠い起源を探る上で、重要な指摘ができたと考える。 モデラータ・フォンテ著『女性の価値』の翻訳出版準備に関しては、本文訳のほか訳注・解説原稿をほぼ完成させることが出来た。今後、出版社を定めて出版・刊行を急ぎたい。さらに、16世紀に女性画家として稀有な名声を博したソフォニズバ・アングイッソーラ(1532頃-1625年)による多数の肖像画作例と同時代の批評の様相を精査した。初期近代における女性と芸術の関係性、女性芸術家のあり方を考察する論文を今後執筆する予定である。
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Report
(3 results)
Research Products
(2 results)