日本仏画における皆金色技法の成立と表現史に関する基礎的研究
Project/Area Number |
16652012
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Aesthetics/Art history
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Research Institution | Tohoku University (2006) Kyoto National Museum (2004-2005) |
Principal Investigator |
泉 武夫 東北大学, 大学院文学研究科, 教授 (40168274)
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Project Period (FY) |
2004 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2006: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 2005: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 皆金色 / 截金 / 仏身 / 鎌倉仏画 / 仏画 / 金泥 / 鎌倉時代 / 截金文様 |
Research Abstract |
最終年度となる本年度は、ベルリン国立東洋美術館の「山越阿弥陀図」「春日曼茶羅図」「十王図」について現地調査を行った。なかでも「山越阿弥陀図」は皆金色による尊像表現が特色で、その具体的な技法の分析が必要な作品であったが、阿弥陀如来と諸聖衆はともに、肉身部は丹具地に金泥としていること、着衣部は金泥を薄く掃く手法と截金文様を併用するタイプであることがわかった。13世紀末ころの制作と判断されるが、すでに確認している二種の皆金色方法の枠内で解釈できることが重要な成果である。「春日曼茶羅図」は皆金色ではないが、金泥を多用する作例で、とくに参道と境内には、丹具地に金泥を掃いて聖域をシンボライズしていることが知られた。 以上の作例についてはデジタル撮影を行い、データを保存した。また従来の調査で収集した画像もCDに焼いて整理した。 3年間におよぶ調査で収集した資料・情報を総合して分析した結果、重点的な作例から判断される皆金色技法の成立と展開について、おおよその概観をつかむことができた。大きくIII期くらにいわけて考えるのが妥当で、第I期(12C末から13C初)は発生と試行錯誤、第II期(13C前半)は形成、第III期(13C後半から末)は完成と定着に当てることができる。また、本研究テーマによる調査を続行するなかで、はからずも従来まったく気付くことのなかった仏画における雲母使用の可能性が浮かび上がってきたことも、本研究の副産物である。もの問題については本研究の成果の一部として「光輝表現法の一異種-仏画における雲母使用-」という論文を『美術史学』27号に掲載予定である。
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Report
(3 results)
Research Products
(3 results)