Project/Area Number |
16652015
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Japanese literature
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Research Institution | Nippon Bunri University |
Principal Investigator |
太田 清子 日本文理大学, 工学部, 助教授 (70194157)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤星 哲也 日本文理大学, 工学部, 教授 (50279395)
岡本 壽夫 日本文理大学, 工学部, 教授 (50037222)
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Project Period (FY) |
2004 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2006: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2005: ¥200,000 (Direct Cost: ¥200,000)
Fiscal Year 2004: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 音節 / 文節 / 母音の構成 / 品詞 / ひらがな表記 / 紀行文 / 音韻 / 音節数 / リズム / 音素 |
Research Abstract |
西村本『おくのほそ道』の言語使用の特色を調査するための作業として、芭蕉が影響を受けた作品のうち『源氏物語』『枕草子』『古今集』を取り上げ、句読点で区切った範囲ごとに2音節の母音の並びを調査した。『源氏物語』の一部については、aaおよびooが最多で次にai・au・ia・io・oiが多かった。『枕草子』ではaa・ai・ia・ioの最多につぎ、au・ua・ui・uu・oi・ou・ooが多く見られた。数量の程度に違いはあるがaa・ai・au・ia・io・oi・ooが多いという傾向は『源氏物語』と一致した。なお『枕草子』のみに多出のものにua・ui・uu・uoがあった。『おくのほそ道』において同じ調査を行ったところ、最多はou・ooである、次にaa・ai・au・ae・ia・ii・io・ua・ui・uu・uo・oa・oi・ooが続いた。数量の程度に違いはあるが、aa・ai・au・ia・io・oi・ooが多いという傾向は『源氏物語』『枕草子』と一致した。また、『古今和歌集』のいてはai・au・ae・ia・ii・iu・io・ua・ui・uo・oa・oi・ooが比較的多いという結果が出た。数量の程度に違いはあるもののai・au・ia・io・oi・ooが多いという蛍光は一致した。ただし、『古今和歌集』ではaaについては『源氏物語』『枕草子』に比べて少なく、また、aa以外では数量に大差は認められなかった。 次に『源氏物語』に加え、中世の代表的紀行文『十六夜日記』『東関紀行』と芭蕉の初期の『野ざらし紀行』について、各文節冒頭の母音を調査した結果、『源氏物語』『十六夜日記』が同じ傾向を示し、aおよびo、 i、 u、およびeの順に出現頻度が高かった。一方『東関紀行』『野ざらし紀行』『おくのほそ道』が同傾向を表わした。後者は、前者に比して次の現象が見られた。(1)aで始まるものが減少。内訳として形容詞と助動詞の減少。(2)逆に、uで始まるものは増加。内訳は、名詞と動詞の増加であった。なお、(1)(2)のいずれにおいても『東関紀行』『おくのほそ道』では大幅な増減が見られた。
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