Project/Area Number |
16653022
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Economic policy
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Research Institution | Otemon Gakuin University |
Principal Investigator |
奥井 克美 追手門学院大学, 経済学部, 助教授 (30268304)
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Project Period (FY) |
2004 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2006: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2004: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 政治的枠組 / 経済的枠組 / 経済体制 / 公共選択 / 政治的自由 / 経済的自由 |
Research Abstract |
平成18年度については、主に次を行った。 1.経済的枠組選択のモデルの構築 2.政治的枠組・経済的枠組を評価する議論のサーベイ 3.経済体制論のサーベイ 4.経済体制の公共選択分析の哲学的基礎 2.3.4の成果を一つにまとめ、追手門経済論集(遠山嘉博先生退職記念号)に掲載した。最適体制の公共選択分析は経済体制の公共選択分析に包含されるが、これの全体像を提示した。これが政治的枠組・経済的枠組に着目する立場であることを確認し、経済体制論においてどのように位置づけられるかを説明した。 以下では新しい貢献の面を多く持つ、1と4について説明を加えたい。 1.経済的枠組選択のモデルの構築 無秩序状態から人々が私有制か公有制のどちらを選択するかを扱ったモデルの構築を行っている。自然均衡における人々の所得が初期所得や個人の防衛一略奪能力にどのように依存するのかについての比較静学を行い、自然均衡の特徴を調べたところまでが、現在の成果である。次に、私有制か公有制か人々がどちらの体制を選択するかについて、初期所得分配に着目して考察を進めていく。 4.経済体制の公共選択分析の哲学的基礎 Buchanan, James M.(2006)Why I, Too. Am Not a Conservative(Edward Elgar)に基づき、経済体制の公共選択分析の哲学的基礎を考察した。この著著ではBuchananとHayekの違いが重要であると考える。BuchananはHayekによる進化論的な見方を批判し、人々の合意に基づく秩序形成実現のためには、人々が等しい立場で対峙できるような環境をつくる設計主義が必要である、と主張している。市場重視・契約主義のBuchananがとなえるこの設計主義、いわば「絶対価値を認めない設計主義」は、新たな公共哲学の視点を提供し、有益な政策の提示につながると考える。私はこれを経済体制の問題に適用し、国と国・人と人が対等に対峙する制度設計のあり方や政策を提示した。
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