超高速スピン制御によるアハラノフ-アナンダン量子位相の観測
Project/Area Number |
16654050
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Condensed matter physics I
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
河本 敏郎 神戸大学, 理学部, 助教授 (70192573)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2005: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2004: ¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
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Keywords | 光誘起磁化 / 量子幾何学位相 / スピン制御 |
Research Abstract |
1.硫酸銅水溶液において、偏光を利用したポンプ-プローブ法を用いて、銅イオンの基底状態の光誘起磁化を生成し、ピコ秒領域の磁化の減衰を観測した。磁場を加えるとあるいは濃度を薄めると緩和時間が長くなることがわかった。この結果は、磁化の減衰が銅イオン間の磁気的双極子相互作用によるスピン交差緩和であることを示唆している。また、横磁場中におけるピコ秒領域の磁化の才差運動を観測し、フーリエスペクトルの尖鋭化から溶液中の錯体分子の運動について議論した。 2.室温のAl_2O_3結晶中Cr^<3+>イオン(ルビー)において、光誘起磁化を生成・検出する実験を行った。光学遷移の選択則を利用して円偏光のポンプ光で基底状態に磁化を生成し、直線偏光プローブの偏光の変化として検出した。ナノ秒領域の磁化の緩和と横磁場中におけるピコ秒領域の磁化の才差運動が観測された。 3.ルビジウム原子気体D_1線の基底状態にポンプ-プローブ法を適用し、光誘起磁化の生成、磁気円偏光二色性を用いた磁化の検出、磁気円偏光複屈折を用いた磁化の検出、自由誘導減衰の観測、及び光誘起スピンエコーの観測を行った。その結果、スピンの光制御に必要な磁化の光学的生成、光学的検出、及び位相の制御が実現できることがわかった。 4.共鳴光励起の場合と非共鳴光励起の場合に対する光誘起スピンエコーについて、4準位系を用いたベクトルモデルを考察した。本研究で観測した光誘起スピンエコーは共鳴光励起型であり、任意軸周りのスピン回転を実現するためには吸収の影響が残り、まだ不十分である。任意の軸周りのスピン回転は、ポンプ光とプローブ光の周波数を変えたポンプ-プローブ法を用いた非共鳴光励起型の光誘起スピンエコー法で実現できると期待される。スピン回転の光制御が実現すれば量子幾何学位相の観測が可能になると思われる。
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)