偏極ヘリウムを用いたナノからフェムトスケールのスピンフィルタの開発
Project/Area Number |
16654064
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
原子・分子・量子エレクトロニクス・プラズマ
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
若狭 智嗣 九州大学, 大学院理学研究院, 助教授 (10311771)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日高 昌則 九州大学, 大学院理学研究院, 助教授 (50037298)
酒見 泰寛 大阪大学, 核物理研究センター, 助教授 (90251602)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2005: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2004: ¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
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Keywords | 偏極 / ヘリウム / ファイバーレーザー / 乱雑位相近似 / 偏曲 |
Research Abstract |
本年度は、偏極ヘリウムを閉じ込めるガラス・セルの検討、及びレーザートランスポート系の設計を中心として全系設立を具体化すると共に、偏極ヘリウムを用いた原子核のスピン応答の研究の可能性について集中的に検討を行った。 偏極ヘリウムの高偏極度を達成し、且つそれを維持する為には、ヘリウムガスの高純度化とそれを閉じ込める容器表面がクリーンであることが要求される。高純度の達成するガスハンドリング及び容器(ガラス)表面をクリーンにする方法は幾つか知られているが、実現するためには専用の大掛かりな装置及び高度な技術が必要である。そこで、この部分については、設備と技術を有する慶応大学の研究室と共同研究を行うことで解決することとした。現在技術的検討が終わり、実際の製作過程に入った。 レーザーハンドリングについては、我々は高偏極度達成の為、5Wという極めて大出力のレーザーを使用するため、それに耐えうる光学系を構築する必要がある。またレーザーの波長領域が赤外と非可視光であるため、安全面にも特段の注意が必要である。そこで我々と同種のファイバーレーザーを所有し、且つレーザーに関する高い専門知識を有する京都大学の研究室と共同研究を行うこととした。ノウハウを積極的に取り入れることにより、安定且つ安全にレーザーをヘリウム・ガラスセルにまで導く目処がついた。 偏極ヘリウムが原子核のスピン状態のフィルタとして有効であると考えられている。スピン状態としては、パイ中間子に関連したスピン縦と、ロー中間子に関連したスピン横の2つがある。これまでは、核子励起の領域と、デルタ励起の領域を別々に取り扱うことによりこれら2つの状態の理論的予測がなされてきた。現在、RIBFやJ-PARCなどの高エネルギー加速器施設が建設段階にあり、デルタ励起領域の精密スピン核物理が視野に入りつつある。そこで、核子励起とデルタ励起を統一的に記述できる乱雑位相計算コードを法政大学の研究室と共に開発し、スピン縦がディップ領域に有意な寄与をするなどの興味深い結果を得た。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)