Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
Fiscal Year 2004: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
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Research Abstract |
雲が地球温暖化に及ぼす影響解明のため,釜石鉱山内にある雲科学実験施設を使って実験を行った.この実験施設の主要な部分は,既存の廃坑にある深さ430mの鉛直立坑から構成されている.実験・観測の内容は以下の通りである.(1)立坑内,坑頂及び坑底に取り付けた気温,湿度,気圧,風速センサーを使い,実験施設立坑内の気象環境場の測定を行った.(2)坑内に大規模なフィルターを設置して清浄化した流入空気の場へ,溶液を乾燥させて作ったエアロゾルを噴霧した.立坑下部の流入口において,エアロゾルの粒径分布,組成及び上昇流速を測定した.(3)発生した雲粒分布については,坑底からの高度100m地点と430m地点の坑頂で測定した.噴霧したエアロゾルの数濃度,粒径分布を6ノズル・アトマイザーの組み合わせを変えることによってコントロールした.またエアロゾルの組成,粒径分布の形,数濃度が同じで上昇流速のみを変化させた実験も行った. その結果は次のようであった.エアロゾル粒径分布の形状が一定でエアロゾル数濃度のみ増加すると,雲粒数濃度の対数で見た増加率は一定である.エアロゾル粒径分布の形状が小さいほうへずれると,先ほどの増加率から小さいほうへずれる.組成の違いによる効果は,硫酸アンモニウムより塩化ナトリウムの方が雲粒数濃度を多くする。上昇流速が大きいほど最大過飽和度が大きくなり,その結果として雲粒数濃度が大きくなることが検証された.以上のようにエアロゾルと雲粒との間の関係が,この実験で示された.
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