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単一分子分光を用いた一個の核スピンの量子状態の観測

Research Project

Project/Area Number 16655003
Research Category

Grant-in-Aid for Exploratory Research

Allocation TypeSingle-year Grants
Research Field Physical chemistry
Research InstitutionTokyo Institute of Technology

Principal Investigator

松下 道雄  東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (80260032)

Project Period (FY) 2004 – 2005
Project Status Completed (Fiscal Year 2005)
Budget Amount *help
¥3,700,000 (Direct Cost: ¥3,700,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2004: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
Keywords単一スピン / 量子情報 / 単一分子分光 / 共焦点顕微鏡
Research Abstract

固体中の一個の核スピンの量子状態を光を使って読み出そうという実験に向けて、初年度は液体ヘリウム用の共焦点顕微蛍光分光装置をつくった。集光効率を重視して作成したが微弱蛍光検出の感度が、系として考えているLaF_3中のPr^<3+>イオンを検出するには少なくともあと一桁足らないことが分かった。製作した低温用の顕微分光装置で集光効率にとって最も重要で、しかも通常の室温用の装置に比べて著しく劣っているのが対物レンズなので、市販の顕微鏡用対物レンズの集光率に近づけるべく、液体ヘリウム温度で使える明るい対物レンズの開発に取り組んだ。主な問題点は組みレンズが使えないので色収差を消せないこと、液体ヘリウム(屈折率1.025)を考慮していないため結像能が悪いことである。屈折系ではなく反射系を用いることを検討した結果、レンズ製造の工作精度で技術的に可能な反射型対物レンズの設計を完成させることができた。
ここで系に要求される発光特性について一考しておく。一個のイオンから発せられる微弱な蛍光を利用する実験なのでもっと良く光る系を選ぶべきであるが、今回の実験では以下のような制約がある。即ち良く光るということは励起状態の寿命が短く、光を吸って励起状態へ移るとすぐに光子を放出して次の光を吸えるようになることなのだが、核スピンの状態による磁気的エネルギーの違いを共鳴光の周波数の差として区別できる程度には寿命が長くなければならない。
実験の目的に完全に合致した理想的なパラメータを持つ系が現実には存在しないが、理論的上限を知ることは実験を進める上で重要である。Pr^<3+>イオンを例に取ると、基底状態と励起状態における核四極子分裂の差は10MHz程度、励起状態^3Poの寿命は47μsである。スペクトルの寿命幅Δν(半値全幅fwhm)と寿命τとの関係はπΔντ=1であるからPr^<3+>イオンの寿命幅はおよそ10kHzである。核スピン状態をスペクトルで分離するには線幅の10倍の分裂が必要とすると、理論的限界までには数十倍から百倍程度のゆとりがある。

Report

(2 results)
  • 2005 Annual Research Report
  • 2004 Annual Research Report

URL: 

Published: 2004-04-01   Modified: 2016-04-21  

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