Project/Area Number |
16655007
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Physical chemistry
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中島 聡 阪大, 基礎工学研究科, 助教授 (80263234)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2005: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | 極短パルス / 紫外 / 振動-反応相関 / ポルフィリン / フェロセン / 振動成分 / コヒーレンシー |
Research Abstract |
フェムト(〜10^<-15>)秒オーダーの超短パルス光を用いて系を励起しそのコヒーレントな応答をみることで動的過程を追うフェムト秒コヒーレント分光法(FCS)という手法が注目されてきている。そこで本研究においては、この手法を用い蛋白質の持つ反応に結合した低振動モードの由来を明らかにし、コヒーレントな過程と反応および蛋白質機能との相関に対する知見を得ることを目的としている。こうした低振動のモードは蛋白質のもつゆらぎと機能の相関に強く関連している。そこでまず蛋白質中に置いてこのような揺らぎがどのように現れてくるか、またそれが機能とどのように関連しているかをヘムタンパク質Cytochrome cを用いて調べた。また、低振動モードと機能_化学反応がどのように結合しているかを蛋白質で詳細に調べるのは非常に困難であるのでポルフィリン結合系のモデル化合物を用いてその電子移動反応を詳細に検討し、コヒーレントな低振動モードが反応に関与していることを直接見いだした。 今回タンパク質の光異性化や電子移動は振動緩和が完了するよりも速くps以内に起こる.しかしそれらの反応と振動とのカップリングの詳細はまだよくわかっていない.本研究では反応と振動のカップリングをよりシンプルな系を用いて明らかにするために、ポルフィリン-フェロセン結合系のS_2励起後の光電子移動を、up-conversion法による蛍光寿命測定、およびpump-probe法による過渡吸収測定によって調べた.この系ではポルフィリンが電子アクセプターとなる.さらにpump-probe信号には振動成分がのっており、特にFH_2P-Fcでは、電子移動が終わっているpsの時間領域まで振動成分が続いていた.この振動のcoherencyの保存は、S_1状態と電荷分離状態とが強く相互作用して、電子移動が断熱的に進行した可能性を示した。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)