Project/Area Number |
16655027
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Analytical chemistry
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
藤浪 眞紀 千葉大学, 工学部, 助教授 (50311436)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池添 泰弘 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助手 (70334315)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥3,700,000 (Direct Cost: ¥3,700,000)
Fiscal Year 2005: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2004: ¥2,900,000 (Direct Cost: ¥2,900,000)
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Keywords | 陽電子消滅 / 質量分析 / 固体表面 / 金 / アルカンチオール / 自己組織化膜 / 陽電子ビーム / 静電場輸送 |
Research Abstract |
本研究の目的は,陽電子が最表面に選択的に捕獲されるという性質を利用し,その後直ちに起こる陽電子による対消滅で結合電子を励起し,放出されたイオンを測定することである。そのためにまず静電輸送型の低速陽電子ビームを設計・開発した。減速材の選択,レンズ系の印加電圧の最適化を行った。その結果,減速材としてWメッシュを8枚重ねたものを用いて陽電子エネルギー2keV,ビーム系2mmで4,000cpsのビーム強度を得ることができた(^<22>Na線源強度11mCi)。陽電子ビームは試料法線方向から60°の方向から入射され,放出されたイオンは四重極型質量分析計により測定される。 本測定には試料の選択が重要であった。まず陽電子が最表面にできるだけ捕獲されやすい基板で,かつ陽電子が吸着分子の結合軌道電子と消滅する割合が高い系を探索することである。そこで基板として金を用い,金表面に自己組織化により単分子吸着したエタンチオール分子を試料とした。陽電子を2keVで入射したところC_2H_5S^+イオンに対応する質量スペクトルを得た。フラグメントイオンはまったく観察されず,分子イオンのみを選択的に励起していることを示している。同エネルギーの電子線ではイオンは観測されなかった。これは発生したイオンはクーロン相互作用のような陽電子衝撃によるものではなく,陽電子対消滅励起による電子の消滅の結果引き起こされたイオン化であることを示唆している。さらにペンタンチオール分子を金基板に吸着させて測定を行ったところ,同様にフラグメントイオンは観測されず分子イオンのみが検出された。以上の結果から,陽電子消滅励起によってイオン脱離させ質量分析することに初めて成功した。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)