Project/Area Number |
16655040
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Synthetic chemistry
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
桑野 良一 九州大学, 大学院・理学研究院, 助教授 (20273477)
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Project Period (FY) |
2004
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
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Budget Amount *help |
¥3,800,000 (Direct Cost: ¥3,800,000)
Fiscal Year 2004: ¥3,800,000 (Direct Cost: ¥3,800,000)
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Keywords | 交差カップリング / パラジウム / 分子触媒 / 有機ハロゲン化物 / アミン / 窒素キラリティー / 触媒的不斉合成 |
Research Abstract |
窒素原子上に3つの異なる置換基を持つ三級アミンは窒素原子上にキラリティーを持つ。しかし、迅速に反転するため、通常のアミンを光学活性体として単離することはできない。本研究では、ある特定のビシクロ環構造アミンの窒素原子が構造的制約から立体反転不可能な点に着目し、パラジウム触媒によるハロゲン化アリールとアミンの交差カップリングを利用した光学分割可能なN-キラルビシクロアミンの触媒的不斉合成法の開発を目指した。 まず、目的とする2つの窒素原子で架橋したN-キラルビシクロアミンを簡便に合成するために、N,N'-(2-ハロベンジル)-1,2-エチレンジアミンの二重環化反応を試みた。この反応に対し、多種多様なパラジウム触媒をスクリーニングしたが、目的とする二重環化生成物の生成は確認されず、一回の環化により得られる7員環ジアミンのみが得られるにとどまった。そこで、目的とする化合物を得るために、その7員環ジアミンを基質とした環化反応を試みたところ、モノホスフィン配位子2-(ジtert-ブチルホスフィノ)-2'-(N,N-ジメチルアミノ)ビフェニルの配位したパラジウム触媒を用いた場合に、N-キラルビシクロアミンが収率80%程度で得られることがわかった。この反応では、リン原子上置換基のtert-ブチル基やビフェニル骨格上のアミノ基の存在が必須である。実際、2-(ジシクロヘキシルホスフィノ)-2'-(N,N-ジメチルアミノ)ビフェニルや2-(ジtert-ブチルホスフィノ)ビフェニルのパラジウム錯体では目的の化合物は殆ど得られなかった。
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