Project/Area Number |
16655056
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Functional materials chemistry
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
戸部 義人 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (60127264)
|
Project Period (FY) |
2004
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2004)
|
Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 2004: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
|
Keywords | 自己会合 / ナノチューブ状会合体 / テンプレート / 錯形成 / 界面 / 二次元結晶 / STM |
Research Abstract |
本研究では、剛直な構造をもつ大環状パイ電子系の合成と超分子相互作用を用いる機能開発を目的とした。すなわち大環状パイ電子系化合物の電子的および構造的特徴を活用することにより、超分子液晶系ならびにそれを用いるナノチューブ形成、基板上への遷移金属ナノドットの形成など、有用なさまざまの超分子システムを構築するための可能性について検討した。 まず、ピリジン環を含む大環状パイ電子系化合物のドナー性置換基と構造的に相補的なゲスト分子として、水素結合によって錯形成すると考えられるフェノール性ゲスト分子をいくつか合成したが、ドナーの塩基性が低いためか錯形成は観測されなかった。そこで、より強く錯形成すると予想されるピンサー型パラジウム錯体を合成し、ピリジン型マクロサイクルとの錯形成ならびにその動的挙動について検討した。その結果、ピンサー錯体が比較的強く錯形成するだけでなく、パラジウム原子がマクロサイクル内を回転していることを示唆する結果が得られた。したがって、ナノチューブ状会合体形成に関しては、金属錯体をテンプレートとする超分子会合体を用いる方法が好ましいことが明らかとなった。 次に、大環状パイ電子系化合物の溶液-基板(HOPG)界面における二次元的整列について検討した。予備実験として、単分子層を形成しやすいと考えられる長鎖アルキル基を有するデヒソロベンゾ[12]アヌレン類の固-液界面での二次元結晶のSTM観測を行ったところ、これらが非常に安定な二次元結晶を与えることが明らかになった。次に、マクロサイクルについて同様の実験を行ったところ、二次元結晶の形成はマクロサイクルのタイプ、環サイズによって著しい影響をうけ、平面性が高くしかも会合性の低いピリジン環を有するマクロサイクルが特に安定な単分子吸着層を形成することがわかった。これらの結果は、テンプレートを用いる表面修飾に重要な知見を与えるものである。
|