円筒状のホスト分子を用いたカーボンナノチューブの選択的分離・可溶化の研究
Project/Area Number |
16655057
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Functional materials chemistry
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
川瀬 毅 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (10201443)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥2,900,000 (Direct Cost: ¥2,900,000)
Fiscal Year 2005: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2004: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | 円筒状共役分子 / カーボンナノチューブ / フラーレン / 錯形成 / 分子間相互作用 / 選択的分離 / 可溶化 / 円筒状共役分 |
Research Abstract |
カーボンナノチューブ(CNT)は、その特異な構造と電子物性のためナノテクノロジーにおいて欠かせない材料になると期待されている。しかし、CNTは、構造・形状のそろっていない不溶性のポリマー状物質であるため、分離・精製する手段を開発することが急務となっている。最近申請者らは円筒状の共役系をもつホスト分子(カーボンナノリング)を合成し、フラーレン類と非常に安定な錯体を形成することを見出した。本研究ではその成果を発展させ、CNTを可溶化するとともにサイズのみならず螺旋度によっても分離できるホスト分子の構築をめざして研究を行っている。しかし、これまでのスチルベン誘導体を原料にMcMurry反応を用いる方法では、多様な置換基や環構造を構築することが困難であったため、種々の方法を検討した。 1、屋根型に折れ曲がったジヒドロベンゾフロベンゾフラン骨格に注目し、これを鍵中間体として環状化合物の構築する方法を検討した。本年度は鍵中間体の効率的な合成法を確立した。 2、Grubbs試薬を用いたオレフィンメタセシス反応は有用な合成反応であることが知られていたが、これまで、シクロファンなどの芳香環を含む大環状化合物の合成にはほとんど応用されていなかった。これはスチレン誘導体に対してGrubbs試薬の活性が低いためと考えられる。著者はGrubbs試薬が6-ビニルビナフトール誘導体に対して活性が高く、容易にオレフィンメタセシス反応を触媒することを見出した。この反応をもとにキラルなビナフトールやビフェニールを構成成分としてもつ大環状アリールアセチレン類の合成を検討した。これらの化合物はキラルな空孔をもつことから、CNTのキラリティーに対応した分離・精製に応用できるものと思われ、今後さらなる発展が期待される結果が得られた。
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Report
(2 results)
Research Products
(10 results)