大きな正電荷と疎水ポケットをもつ多核銅、鉄及び亜鉛ナノ構造錯体の合成と分子認識
Project/Area Number |
16655059
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Functional materials chemistry
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
小寺 政人 同志社大学, 工学部, 教授 (00183806)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加納 航治 同志社大学, 工学部, 教授 (60038031)
水谷 義 同志社大学, 工学部, 教授 (40229696)
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Project Period (FY) |
2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥3,700,000 (Direct Cost: ¥3,700,000)
Fiscal Year 2005: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2004: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
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Keywords | 集積型ナノ構造錯体 / 6核銅(II)錯体 / 12核銅(II)錯体 / 大きな配位空間 / X線結晶構造解析 / CSI MSスペクトル / 高いプラスの電荷 / HPNPの加水分解 / building block / dipyridylmethanol / X線単結晶構造解析 / 金属タンパク質の機能 |
Research Abstract |
2つのジピリジルメタノール(dpmOH)基をそのbridgehead炭素の位置でベンゼン環のメタ位につないだ配位子H_2L1およびベンゼン環のパラ位につないだH_2L2を合成し、これを用いて三核銅錯体をbuilding blockとする集積型ナノ構造錯体を合成した。H_2L1は三核銅ユニットが2つ集積した6核銅(II)錯体1を、H_2L2は三核銅ユニットが4つ集積した12核銅(II)錯体2をそれぞれ生成した。錯体1,2の構造はX線単結晶構造解析によって決定した。錯体2は、4つの三核銅ユニットが正四面体の各頂点に存在する構造をとり、その内部にはアダマンタン2分子程度の大きさの配位空間が存在する事がわかった。配位空間内の構造を明らかにするために、さらに精度の良いX線結晶構造解析を行った。錯体2の配位空間には1つのPF_6と4つのMeCN分子が取込まれていた。錯体2の溶液中の構造を明らかにするために質量分析を行った。CSI MSスペクトルからは、PF_6を対イオンとして持つ場合は配位空間に取込まれたPF_6イオンがナノ構造を安定化して溶液中でも大きな配位空間を持つナノ構造が安定に保たれている事が示された。また、対イオンがハロゲンイオンだけからなる場合には、配位子の1つがはずれた構造を持つ事がわかった。錯体2は、高いプラスの電荷を持つので、その配位空間にはアニオンを取り込むことが結晶構造やCSI MSスペクトルから明らかにされた。そこで、錯体2を用いてリン酸ジエステルであるHPNPの加水分解を行ったところ、錯体2は三核銅錯体よりも27倍反応を加速する事がわかった。これらの結果は、金属タンパク質の機能を再現するナノ構造多核錯体を開発するために極めて重要な知見を与えるものである。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)