Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2006: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2005: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Research Abstract |
近年,心臓血管病手術時における左心循環用補助人工心臓ポンプの臨床応用化が注目されている.本研究では,東京大学医学部および東北大学加齢医学研究所と共同で,振動流型人工心臓に中空系を利用した酸素供給機構を付加する一体型人工心肺装置を新たに開発した.この装置における酸素付加特性に関して,流体力学的な側面から詳細な研究と最適設計法の確立が望まれ,本研究では,ポンプ内の血流と酸素の物質拡散特性について,流れ関数-渦度法と移流拡散方程式を用いた数値解析法により考察した. 振動流型人工心臓ポンプでは,半径14mmの振動管全体が左右に振動することにより,出入口に取り付けたゴム製の袋が変形し血流を吐出する.血流は,定常流成分に振動成分が加わった平均流速0.0108(m/s)の振動流である.振動管の中央部に設置された中空糸表面から血液へ酸素の付与を行う.解析では,血流が軸対称であると仮定し,血液はNewton流体とした.円柱座標系における無次元化した軸対称・非圧縮性Newton流体のNavier-Stokes方程式を用いた.また,酸素濃度の時間変化を解析するため,非定常移流拡散方程式を用いた. 中空糸から血液に供給される酸素量の評価は,中空糸表面における平均の酸素付加を表すSherwood数Shを用いて評価した.Re数を変化させSh数を求めた結果,Re数が増加するにっれ,Sh数が大きくなっており,酸素の伝達率がRe数の増加と共に向上していることが明らかになった.さらに,酸素付加量に関し,昨年度,設計・製作した新型人工心肺と牛血を用いた実験を行い,本数値シミュレーションと良い一致を見た. 一方,MEMS技術を利用してマイクロチャネル流路を製作し,バイオ流体研究の標準プラットホームを模索している.ここでは効率的な液輸送システム,細胞カプセル技術等を実験的に考案・検討して,国際会議等で成果発表を行った.
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