氷-水界面にある活性不凍化タンパク質の分子レベルの測定と数値シミュレーション
Project/Area Number |
16656071
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Thermal engineering
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
萩原 良道 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 教授 (50144332)
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Project Period (FY) |
2004 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2006: ¥300,000 (Direct Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2005: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2004: ¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
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Keywords | 不凍化タンパク質 / 氷結晶 / HPLC6 / 結晶成長速度 / 分子動力学的解析 / ポリペプチドモデル / 水素結合 / 変異体 / 凝固点降下測定 / 氷結晶成長 / 分子動力学シミュレーション / 極性サイト |
Research Abstract |
極海に生息する魚から抽出される不凍化タンパク質タイプIの主要成分であるHPLC6に注目し、氷-水界面近傍にあるHPLC6の影響に関するナノレベルの測定と数値シミュレーションを行った。 測定に関しては、HPLC6を合成して、その特定のアミノ基に蛍光試薬を標識した。間隔約50ミクロンのカバーガラスにはさまれたHPLC6の水溶液を冷却し、一方向に氷結晶を成長させた。このときの微小領域における蛍光強度、温度、界面位置を高精度で計測した。その結果、(1)低い氷結晶成長速度では、タンパク質濃度が高いほど成長速度が低下すること、(2)氷の成長によりタンパク質は氷表面に集中するが、氷の融解時には表面から離脱すること、(3)結晶中に現れる筋状の不凍部はHPLC6により形成された液相領域であること、などが明らかになった。 他方、数値シミュレーションに関しては、HPLC6の一部である9個のアラニン残基、2個のトレオニン残基、1個のアスパラギン残基からなるポリペプチドモデルを作成した。またトレオニンをバリンに置き換えた変異体モデルも作成した。これらを含む水、あるいは氷-水混合系に関する分子動力学解析を行った。平均二乗変位、回転相関関数、角度分布関数、二面角分布関数、水素結合相関関数などの統計量を比較し、ポリペプチドモデルの側鎖サイトがその周辺の水分子へ及ぼす影響について検証した。計算結果より、アスパラギン残基近いトレオニン残基が水素結合により氷結晶のプリズム面に近づくこと、アラニン残基のみならずトレオニン残基にも含まれるメチル基が疎水性水和構造の形成を誘起すること、この構造が氷成長を阻害すること、複数のモデルが接近しているときにはこの構造が優勢であること、などを示した。
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Report
(3 results)
Research Products
(17 results)