Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2004: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Research Abstract |
本研究は,伝熱面表面の濡れ性を超親水から超撥水にわたり,広範囲に接触角をコントロールすることにより,沸騰・蒸発・凝縮などの相変化伝熱を制御することを目的とする. 本年度は,超撥水面と通常面を組み合わせて作成したハイブリッド伝熱面の沸騰伝熱特性を調べた.これは昨年度の研究成果で,超撥水面の沸騰では非常に低い過熱度で膜沸騰状態になるという知見を利用したものである.すなわち,超撥水面は発泡性に優れた面と見なすことができ,低過熱度で気泡が容易に発生する.これに通常面を組み合わせ,超撥水領域の面積を制限することで,発生した気泡は超撥水面/通常面の境界で離脱させられることになる.すなわち,超撥水領域を気法生成領域,通常面の領域を液体供給領域と役割を分担させることで,すぐれた沸騰伝熱面が実現する. 実験には,直径30mmの銅伝熱面に,格子状(市松模様),斑点状のパターニングを施した超撥水/通常面複合伝熱面を使用し,沸騰特性曲線を得た.格子状では,3mm×3mm,4mm×4mm,5mm×5mmサイズのパターンを,斑点状の場合は3mmφ,4mmφ,5mmφの直径の斑点を5mmピッチで配置した.大気圧飽和状態で沸騰特性を調べたところ,以下の項目が明らかになった. (1)核沸騰低加熱度領域では,通常面に比べてハイブリッド伝熱面の熱伝達率が7倍に増加し,優れた沸騰伝熱面となる. (2)過熱度約15Kで,ハイブリッド伝熱面と通常面との伝熱性能が逆転し,高熱流束域では通常面の方が伝熱特性が良い.また,限界熱流束値も通常面の方が大きい. (3)ハイブリッド面において,格子状の場合は格子寸法の影響はほとんどなく,いずれも同様の伝熱特性を示した.一方,斑点状の場合は,3mmφの面の伝熱特性が一番優れており,超撥水と通常面との面積割合に最適値が存在する可能性がある.
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