Project/Area Number |
16656080
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Intelligent mechanics/Mechanical systems
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鈴木 宏明 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (20372427)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野地 博行 東京大学, 産業科学研究所, 教授 (00343111)
竹内 昌治 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (90343110)
|
Project Period (FY) |
2004 – 2005
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
|
Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2004: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
|
Keywords | 生体分子モータ / マイクロ・ナノ加工 |
Research Abstract |
本研究の目的は、生体内で機械的に働く生体分子モータを半導体微細加工で製作したナノ構造と集積化して、両者が融合したナノアクチュエータを実現し、ナノ構造体のハンドリングへ応用することである。細胞内では、分子モータによって超微量の物質が運搬され、それに基づく細胞内外の情報伝達や、新たな分子の合成と分泌を実現している。本研究では、これを手本として、生体分子モータの機能を最大限に生かした生体分子モータ融合型ナノマシンの製作技術と制御法を研究した。特にナノアクチュエータとして機能する生体分子として、レールと機関車の役割を持つ2種類の分子(本研究では「微小管」と「キネシン」)からなるリニア生体分子モータを利用した。これらを、ナノ構造に組み込み、微小物体を搬送するナノマシンの原型を実現した。応用として、液中で微小構造やリポソームを運び、DNAやタンパク質の操作や分子認識を行うデバイス、環境に適した薬剤や農薬などを極微量の物質で発見するコンビナトリアル化学への展開を望んでいる。 昨年度までに、主に,リニア分子モータである、微小管・キネシンを用いた。ガラス基板上にPLL(ポリLリジン)を用いて、微小管を吸着させる方法を確立した。また、PDMSやパリレンと呼ばれる高分子材料で薄膜を形成し、スピンコートやフォトリソグラフィによって貫通孔をもつフィルムを作成した。本年度、本年度は,流体力により微小管を配向・固定し物体搬送に用いる方法を提案した.微小管の配向・固定プロセスは、マイクロ流路内で行った。配向に必要な流速を与えるために,配向にはカバーガラスチャネルとPDMSチャネルを用いた.キネシンと微小管を流路内に導入後、ATPによるグライディングアッセイの開始する。シリンジポンプを使いバッファをチャネル内に流し続ける.すると,流れに逆らって動く微小管は流体力によりガラス表面から剥離され,ガラス上には流れと順方向に動く微小管のみが残り、微小管が配向される。滑り運動している微小管を固定するためには、グルタルアルデヒドを導入することでキネシンと微小管を架橋した.最後に、微小管の極性を確認するために,固定した微小管上でキネシンビーズの動きを観察した.その結果、本方法により、配向度は95%程度であることが分かった。これらの研究を通じて、分子モータを基板上へパターニングする方法、マイクロマシンへ吸着させる方法、その動きを制御する方法を確立できたと考えている。本研究で培った個々の要素技術は、これまでの生化学やマイクロチップ研究に応用可能であり、有益な結果が得られたと考えている。これらの内容は、学会誌で公表した。
|