Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2005: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
本研究の目的は,シャノンが提示した理論限界に迫る性能を達成できるとして注目されているターボ符合について,システム理論的観点から見直し,システム論的な新たな知見を得るとともに系統的な符号・復号化法を得ようとするものである.ターボ符号の一番の特徴はその復号方法にあり,一回の復号で得られる情報を利用して再度復号するということを繰り返し,誤り訂正能力を向上させようとするものである.本研究では,この繰り返し復号の部分をシステム理論的に見ることにより学習制御として定式化し,学習制御の更新則としての新しい復号方法を求めることを行った.具体的には,以下のように定式化し,復号方法を求めた. 1.ターボ符号で使われる畳み込み符号器を排他的論理和を用いた離散時間線形システムとして捉え,この排他的論理和を加算後の結果にmod2を取る演算とすることにより,ビット系列だけでなく実数を扱うことができるシステムと拡張する. 2.上記のシステムに対して,出力の推定値の自乗誤差と入力の更新量の自乗に重みを付けた和を評価関数として用い,この評価関数を最小にするような推定値と入力の更新量を求める.そしてそれらを対応する畳み込み符号器に対する復号結果とする. 3.上記で得られた入力の更新量を受信した入力に加え,これを新たな入力として2の操作を繰り返す.そして,決められた回数だけ行った後,硬判定を行い,最終的な復号結果とする. 上記の定式化から得られた復号方法を実際に数値実験で行った結果,評価関数に含まれる重みの選択方法により得られる性能が変化し,適切な重みを取ることにより高性能な復号方法となる場合があることが分かった.また,排他的論理和の実数への拡張方法を変えることにより,さらに高性能な復号方法が得られる可能性があることが分かった.
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