Project/Area Number |
16656147
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
水工水理学
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
陸 旻皎 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (80240406)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2005: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2004: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Keywords | 河川計画 / 基本高水 / 計画雨量 / ランダムカスケートモデル / カバー率 / 流出解析 / 貯留関数 / 不確実性 / 基本高水流量 / ランダムカスケードモデル / 降雨 / 降雨強度 / AMeDAS |
Research Abstract |
本研究が提案されたのは平成15年11月ごろで「国土交通省河川砂防技術基準」改定直前である。 当時考えた不確定要因は以下の通り 降雨の確率分布形の選定、降雨継続時間の選定、実績降雨群の選定・継続時間の調整・引き伸ばし、流出モデルの不確定性、カバー率の選定 である。1と2は計画雨量の算定、3、4と5は計画雨量から基本高水の算出に関係する。特に5のカバー率力が結果を直接左右するので広く議論されている。しかし、カバー率の統計的性質に関する研究は皆無に近い。 本研究、「河川計画の争点となっているカバー率の統計的性質に関する研究」では、一級河川土器川を対象に、その計画雨量(325mm/日)から基本高水を算出する新しい手法を開発し、カバー率の統計的性質を調べた。この方法では、実績降雨群を用いる代わりに、実降雨データから得られたランダムカスケードモデルを用いて、日雨量が一定計画規模のハイエトグラフを多数発生し、流出解析を通じてそれに対応するピーク流量群を得ている。そして、様々な計画規模の雨量に対応するピーク流量群からピーク流量の確率分布形を導出している。この分布形が土器川の実測年最大流量のカナンプロットとよく一致している。また、この分布形から得たT年確率流量とT年確率雨量から求めたピーク流量群との比較からカバー率を算出している。一般に言われている0.5付近ではなく、大きい確率年ではカバー率が0.6前後で推移していることが明らかになった。 本研究には、まだ不十分な点、たとえばランダムカスケードモデルパラメーターの定式化、総合化などの課題が残っているが、基本高水の算定法に一石を投じることができた。今後も基本高水の算定法における不確実性を減らし、より客観的な治水計画の確立のために研究を進めていきたいと考えている。
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