Project/Area Number |
16656219
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Structural/Functional materials
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
馬越 佑吉 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00029216)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安田 弘行 大阪大学, 超高圧電子顕微鏡センター, 助教授 (60294021)
永瀬 丈嗣 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (50362661)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2004: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Keywords | 擬弾性 / 規則合金 / 転位 / 規則ドメイン / APB / Fe_3Al / Fe_3Ga / 相変態 / 超弾性 / 変形 / FeAl / 規則構造 / 回復 |
Research Abstract |
NiTi等の規則合金で発現する擬弾性は、熱弾性型マルテンサイト変態や双晶と深く関わっている。本研究では、これとは異なり、転位の可逆運動に由来する擬弾性発現の可能性とその発現機構について調べた。DO_3型規則構造を有するFe_3Al合金単結晶を作製し,室温において応力付加、除荷時の応力-ひずみ曲線を調べた結果、擬弾性挙動が認められ、この挙動は合金組成ならびに熱処理条件に強く依存し、23at%Al組成で約5%の回復ひずみと最も良好な擬弾性特性を示した。DO_3型規則合金の変形は、一般に<111>超格子転位が2種のAPBを挟み4本の部分転位に分解した超格子部分転位対の運動によって担われる。しかし、電子顕微鏡観察の結果、Fe_3Al中では1本または2本の部分転位が背後にAPBを引きずって運動し、応力が除去された場合にはこのAPBの張力によって部分転位は応力付加以前の位置に引き戻され、その結果擬弾性が生じることが明らかとなった。この転位の可逆運動は、規則合金の内部組織と密接に関係し、転位が規則ドメイン境界を通過する際に形成される新たなAPBによって擬弾性効果がより顕著となる。従って、熱処理による規則ドメインの形態、寸法の制御が重要となる。この転位の可逆運動による擬弾性特性はマルテンサイト変態に由来しないため、動作温度範囲が広い、高い応力レベルでも利用可能、組成依存性が少ないなどの特徴がある。擬弾性の温度依存性を調べた結果、200℃以上においては、温度上昇に伴って交差すべり、形成されたAPBの熱拡散による構造緩和等により回復ひずみ量が減少する。また、低温では転位の摩擦応力の上昇とAPB張力による転位の復元運動との兼ね合いで回復ひずみ量が変化することが明らかとなった。また、Fe_3Alと類似の状態図を有するFe_3Ga単結晶についても同様の実験を行い、APB擬弾性の発現を確認した。この合金の擬弾性挙動は、組成、熱処理条件に強く依存し、L1_2型規則相の析出に伴って急速に擬弾性特性が阻害されることが明らかとなった。
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