Project/Area Number |
16657002
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Genetics/Genome dynamics
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
河野 重行 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (70161338)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | 真正粘菌 / Physarum polycephalum / ヒラアオノリ / Ulva compressa / ホーミングイントロン / ミトコンドリア / 葉緑体 / エンドヌクレース / rDNA / ベクター / Nannochloris bacillaris |
Research Abstract |
真核生物のrRNA遺伝子は、数百から数千にも及び、動植物では染色体上でリピートしている。原生生物のなかにはそれを染色体外rDNAとしてもつものも多い。真正粘菌Physarum polycephalumと近縁のDidymium類を用いて、1)ホーミングイントロンの有無とその起源を調査し、2)ホーミングエンドヌクレースによるrRNA遺伝子の切断とホーミングの有無が染色体外rDNAの遺伝様式に与える影響を調査した。また、真正粘菌だけでなく、微細藻類のNannochloris bacillaris、Scenedesmus quadricauda、ChaetocerosやPavlova、あるいは大型海藻ヒラアオノリUlva compressaなどの葉緑体DNAやそのrRNA遺伝子にも注目して、ホーミングイントロンの有無を調査した。 ミトコンドリアや葉緑体で、エンドヌクレースをコードしているだけなら、多数のホーミングイントロンが見つかっている。しかし、(1)エンドヌクレースで対立遺伝子座を切断するだけで本当にホーミングできるのか、(2)対立遺伝子座を切断することで、それをコードしていた染色体や遺伝子を排除するだけではないのかなどは詳しく調べられていない。(2)だけが可能だったとしても、結果的に、ホーミングイントロンは占有種になる。これまでのホーミングの概念は修正する必要があるかも知れない。また、そのホーミング能によって、ミトコンドリアから葉緑体や核へ水平伝播したとする、ホーミングイントロンのミトコンドリア単一起源説なども再検討する必要があろう。 国内外で、真正粘菌の野生種を収集するとともに、ヒラアオノリの分布なども日本沿岸で調査し、ホーミングイントロンの有無とrDNAとmtDNAの多形を網羅的に調査した。P.polycephalumには、rDNAの26SrRNA遺伝子の第3イントロン(PpLUS3)にエンドヌクレース(I-PpoI)がコードされている。イントロンの有無とI-PpoIの存否を収集した全ての株で調査し、イントロンにコードされたエンドヌクレース(I-PpoI)の有無による遺伝様式の差異を調査し、イントロンの有無とI-PpoIがrDNA分子の遺伝様式に及ぼす影響を明らかにした。このイントロンを用いたベクターの有効性を確かめている。また、同様の手法を用いて、Chaetoceros やPavlovaで、微細藻類用のベクターを現在開発している。
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