土壌環境、土壌微生物群集機能、植物生理の相互動態に基づく生態系資源獲得構造論
Project/Area Number |
16657007
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Ecology/Environment
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
舟川 晋也 京都大学, 農学研究科, 助教授 (20244577)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢内 純太 京都府立大学, 農学研究科, 助教授 (00273491)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | 酸性土壌 / 資源獲得 / セルロース分解活性 / 土壌微生物バイオマス / 土壌有機物動態 / 微生物バイオマス及び活性 / 森林土壌 / pH / 土壌有機物動態記述モデル / 分解速度定数 |
Research Abstract |
本研究は、土壌生態系中の物質動態を、土壌環境、土壌微生物機能、植物の反応を包含した生態系の資源獲得の構造として類型化しようとする試みである。フィールドにおける物質動態の定量評価(有機物動態・酸動態)によれば、強酸性森林土壌においては、有機物の分解が抑制されるとともに(有機物分解速度定数の低下)、下層土への水溶性有機物フラックスの生じることが明らかとなった。これらはいずれも、酸性土壌中への有機物蓄積を促進する契機となることから、有機物動態において重要な位置を占めるものと判断される。また異なる森林・耕地土壌を用いて土壌微生物によるセルロース分解活性を解析した結果、微生物バイオマスは土壌有機物量によって決まるが、セルロース分解速度は微生物活性によって決まり、その活性は地温とpHという環境要因により規定されることがわかった。また模擬生態系に植物を導入すると、植物は土壌酸性化の促進と易分解性有機基質の付加という異なる機構により土壌有機物動態に影響を及ぼすと推察された。これまで考案された土壌有機物動態モデルの多くでは、一定範囲の分解率を持つと仮定されたいくつかの土壌有機物プールの増減を予測する。本研究の結果からはむしろ逆のアプローチ、すなわち測定可能な有機物プールの分解速度の規定要因を、土壌環境、酸性動態、微生物活動、植物生理と絡めてパラメーター化することが有効であることが示された。
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)