Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2005: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2004: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
|
Research Abstract |
兵庫県神戸市再度山において、約100年前に植栽されたアカマツ林などで植生の管理により分けた4つの区分から土壌サンプルを採取して埋土胞子の存在とその種構成を調査した。人為撹乱区(地点15,17,18)は1979年などに伐採処理が行われている。対象区(地点15',17',18')は人為撹乱区に隣接した未処理区、放置区(地点3)は植栽後に人為的撹乱がない場所である。保護区(地点9)は社寺林として長らく手のはいっていないスダジイ林である。 バイオポットにバーメキュライトおよび5000倍希釈のハイポネックス水溶液を加えて、オートクレープをかけた培地に、採土器によりカラム(100ml)に採取したサンプル土壌を数ミリ程度の厚さにまいた。室内において約20℃、蛍光灯により14時間照射の条件で行った。 1ケ月前後くらいから、前葉体の姿が観察され、2〜3ケ月で最大数となった。最上層の土壌(現地での深度0〜10cm程度)では、ポットあたり200個以上、カラムの土壌体積に換算して、8個/ml以上の胞子があることが明らかになった。埋土種子はポット当たり最大で3個のヒサカキであり、多量の埋土胞子があることが明らかとなった。 地点による差異も大きかった。地点9,17は最上層で土壌当たり8個/mlの前葉体が記録された。一方、地点8,18'は4個/ml程度、地点3,15,15',17'は1個/ml以下であった。 多数の前葉体が観察された保護区9の前葉体の9割程度は調査地に確認されているベニシダであったが、調査地にないイワヒメワラビが最上層で0.5個/mlで確認された。放置区17では、大部分の前葉体がヒメシダ科植物であり、生育しているハリガネワラビであると判断された。地下40cm以下からベニシダ、イワヒメワラビが低頻度ながら記録された。他の地点でも、大部分の前葉体はその地点に生育しているシダ植物であったが、深い地点からイワヒメワラビ、オオバノイノモトソウ、カニクサ、ウラジロ、シシガシラ、ホラシノブなどの記録され、こうした種では埋土胞子である可能性が高い。
|