Project/Area Number |
16657024
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Animal physiology/Animal behavior
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
徳永 史生 大阪大学, 理学研究科, 教授 (80025452)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久冨 修 (久富 修) 大阪大学, 理学研究科, 助教授 (60231544)
小柳 光正 大阪大学, 理学研究科, 助手 (30379276)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2004: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 蚊 / 炭酸ガス / センサー / 雌雄差 / 小顎髭 / 蛋白質 / Anopheles stephensi / アニオンエクスチェンジャー / Sensory appendage protein |
Research Abstract |
雌の蚊は炭酸ガスによって誘引され、動物にとまり、吸血すると言われている。このことは雌の蚊が炭酸ガスセンサーを持っていることを意味し、感度もかなり高いことを示している。本研究ではこの蚊の炭酸ガスセンサーが何であるかを同定し、もしそれが、蛋白質であるならば単離することを目指して研究を始めた。実験には分子生物学実験で最もよく使われているハマダラカ(Anopheles stephensi)を用いた。雌の蚊の小顎髭にあるこん棒状の形をした感覚子がCO_2感覚子であるということが電気生理学的に示されている。CO_2センサー蛋白質は雌特異的に発現していることが予想されるので、雌の小顎髭で特異的に発現している遺伝子を解析した。これまでに報告されている昆虫のCO_2センサー候補遺伝子には、ハエの味覚受容体(GR)とガの化学物質結合蛋白質(CSP)がある。この2種類の遺伝子が蚊においても同様にCO_2センサーとして働いているのかどうかを調べるために、雌雄の小顎髭由来cDNAを用いて定量的PCRを行ったところ、雌雄の小顎髭でほぼ同じ量発現していることがわかり、これらの遺伝子の中から雌特異的遺伝子を得ることができなかった。次に、CO_2が感覚子内のリンパ液に溶けてHCO_3^-になり、そのイオンが細胞内に取り込まれ神経応答を引き起こすという機構が存在するのではないかと考えた。HCO_3^-を通す蛋白質であることが知られているNa^+、HCO_3^-共輸送体に注目した。GR・CSPと同様の実験を行ったところ、ハマダラカのNa^+、HCO_3^-共輸送体のうちある一つの遺伝子が小顎髭において雌特異的であることがわかった。すなわち、CO_2センサー蛋白質である可能性を強く示唆する結果となった。今後にNa^+、HCO_3^-共輸送体の対するノックダウンハマダラカを作製し、行動学的解析および電気生理学的解析を経て蚊のCO_2センサー蛋白質を確定したいと考えている。
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